【あかね噺 第158席の感想と考察】一生師匠の「笑わせるな」とは、お客に合わせてウケを取りにいくな!?

あかね噺 第158席 扉絵 あかね噺

この記事では、週刊少年ジャンプ2025年25号に掲載された「あかね噺」の第158席「取りにいく」の感想と考察を書いて行こうと思います!

前回の振り返りは下の記事になります!

一生師匠に気後れを見透かされてあしらわれた事で荒れるあかね。そこに現れた嘉一さんが、あかねが自分自身を取り戻すキッカケをくれます。腹を括ったあかね。目指すは「全部取りに行く!!」

ここで嘉一さんの登場は予想外でした。しかし過去を紐解けば、今のあかねを導けるとすれば嘉一さんである事がよくわかります。目標が定まったあかねですが…

‟吝い屋”以外ありえない

居酒屋「海」での独演会。

あかねが‟吝い屋”をシリアスに演じるというアレンジを加えてみるも、意に反してお客さんは大ウケ。一生師匠に言われた「笑わせるな」がクリアできません。また「台本通り」もダメな様子。

一生師匠が言うのは「笑わせる以外のポイントでお客さんを満足させるってコト」だろうかと思案しているようですが、どうにも上手く行っていないみたいですね。

吝い屋アレンジ
  • 間をじっくり
  • テンポを早めて耳心地良く
  • 登場人物の性格を変える
  • 全体的にサラッと
  • 重くシリアスに

どの項目にもバツがついており、どのパターンも合っていない様子。もう瑞雲大賞まで2週間なのに、あかねはまだ何も掴めておりません。

泰そんがネタの変更を提案。

これは僕も考えていたのですが、大会で演じるネタは事前に申請したものでないといけない様子です。もうすでに‟吝い屋”でエントリーしているので変更できず。何よりあかねに変える気がありません。

‟吝い屋”以外ありえない。

だったら笑わせて勝負しかないと泰そんが言うのですが、「全部取りにいく」と腹ぁ括ったからには今更そんな事はできません。それで勝ったからって喜べやしない。

瑞雲大賞で演じるネタは‟吝い屋”。それはドカドカとウケが狙える賞レース向きな演目と紹介されています。これで「笑わせるな」を取りに行かねばならない。ここがまず大きなポイントになるんですね!

みくちゃんが教えてくれた根本的な間違い

重い空気が流れる中、みくちゃんが新メニューの味見役を提案。出て来たのは宮崎県の郷土料理「冷や汁」です。初めて見る料理に戸惑う一同。

食べてみると美味しい。しかし、もっと写真映えする料理の方が人気が出るんじゃないか?との意見が。確かに色味にしても地味ですからね。なじみがなければパッと見て「美味しそう」とはなりにくい。

ここでみくちゃんが大事な事を教えてくれます!

あかね噺 第158席 みくちゃん「作りたい料理でお客を振り向かせてこそ料理人ってもんでしょ」
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社

お客さんのニーズに合わせるのも大事だが、作りたい料理でお客を振り向かせてこそ料理人ってもんでしょ?と。この言葉があかねに気づきを与えてくれます。「料理人」を「落語家」に入れ替えれば良い。

みくちゃんの言葉であかねは根本的な間違いに気づきます。

あかねに見えていなかったのは「私」!

あかねが目指す‟吝い屋”とは

あかね噺 第156席 一生「客を笑わせずして勝ってみせろ」
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社

一生師匠の言葉というのはトンチだったんだと思うんです。

禅問答です。

「笑わせるな」とは、文字通り笑わせるなって意味じゃなくて。

「ウケを取りに行くな」って意味だと考えます。

笑わせようとするな、ですね。

あかね噺 第156席 高座から客席を見るあかね
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社

その日のお客さんのニーズを探り、くすぐりを足したりだとか最適な間に修正したりしない。それは悪い事じゃないんだけど、あかねは己を貫いて会場を掴み切ろうとしていない。お客に合わせようとばかりしてる。

そうじゃない! お客をあかねに合わせるべき!

そもそも‟吝い屋”をアレンジしようという試みが間違ってる。

一生師匠の言葉に合わせに行く事すら間違いなんですよ!

今回、まいける兄さんの真打昇進試験での一生師匠のセリフ(第116席)が出ていますよね。つまり一生師匠があかねに求めるのは「真打の‟芸”」であって。

「笑わせずして勝ってみせろ」とは、二ツ目向けの賞レースにおいて「真打の‟芸”で勝ってみせろ」と言っていたんじゃないかな。ここが重要なポイントなのであって。

あかね噺 第149席 椿屋正明「彼女には‟見”が無い」
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社

フランスから帰国してすぐのあかねの高座に対して正明師匠が「まだまだ二ツ目の芸ですよ」と言っているんですね。その理由こそが「彼女には‟見”が無い」というものだったんですよね。

瑞雲大賞で正明師匠に見せるべきなのは「あかねの‟見”」であって。それができたなら二ツ目の殻を破った「真打の‟芸”」を見せる事ができる。

つまり一生師匠と正明師匠があかねに問うている本質は同じ!

あかねが‟吝い屋”を演じてお客が笑ったとしても構わないんじゃないかなぁ。

問題はその内容であって。

その日のお客さんにウケようとして笑わせてはダメ。あかねの‟吝い屋”にお客さんが振り向かされた結果、笑ったのなら成功。その違いは真打ならばわかるものなんでしょうね。わからないうちは二ツ目。

あかねが見るべきはお客さんではなく、自分自身であり演目の登場人物(作品)である。もっともっと‟了見”の理解を深めるべきであって、その先にあかねが目指す‟吝い屋”というのがあるのかな?

それを2週間で掴めるのかどうか。

そして瑞雲大賞の予選当日を迎えます!

まとめ

さぁ それぞれの想いを胸に可楽杯の再戦となります!

もちろん3人の戦いに注目していますが、思わぬ伏兵というのも出てきたりするのかも?また懐かしい顔ぶれとの再会というのもあるのかもしれませんね。

ともかく大会は面白くなりますからね!

第158席の感想・考察まとめ
  • 吝い屋にアレンジを加えるも上手く行かない
  • あと2週間だが何も掴めていないあかね
  • 瑞雲大賞は吝い屋で全部取りにいく
  • みっちゃんが教えてくれた根本的な間違い
  • 一生師匠と正明師匠に問われる本質は同じ
  • ポイントは「真打の‟芸”」?
  • 「笑わせるな」とはお客に合わせてウケを取りに行こうとするな?
  • 瑞雲大賞の予選当日を迎える

あかねは一体何を掴んだんでしょうね?

ありがとうございました!!

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