【あかね噺 第165席の感想と考察】‟番町の皿屋敷”で魅せる阿良川ひかるの新たな世界

あかね噺 第165席 阿良川ひかるの「番町の皿屋敷」 あかね噺

この記事では、週刊少年ジャンプ2025年32号に掲載された「あかね噺」の第165席「思っていたより」の感想と考察を書いて行こうと思います!

前回の振り返りは下の記事になります!

瑞雲大賞本選のトップバッターは阿良川ぜんまい。大いに会場を沸かせますが、椿家正明の講評は「‟作品”としては未完成」というもの。この大会は椿家正明を制した者が勝つ。これを見ていた阿良川ひかるは一筋縄ではいかぬと気を引き締める。

会場全体が伺う椿家正明の審査(かおいろ)

二番手 喧風亭さ流の得点も思ったより伸びません。

あかね噺 第165席 喧風亭さ流の得点
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社

合計点は254点で順位は第2位です。

阿良川ぜんまい256点桐谷:91点
真田:90点
椿家:75点
喧風亭さ流254点桐谷:90点
真田:90点
椿家:74点

第1位の阿良川ぜんまいとの点差は2点です。桐谷ほなみと椿家正明がそれぞれ1点ずつ低くつけていますね。ってか椿家正明師匠デカい(笑

正明師匠の講評が聞きたいところですが、これもまた‟作品”としての完成度を問われたものなんだろうと思うんですけどね。阿良川ぜんまいの高座と大きく違っているのが会場の雰囲気です。

阿良川ぜんまいに対する講評では「狙い通り会場を沸かせた点は認めます」としていて、ここは加点に繋がったような言い方をしているんです。

ただ、喧風亭さ流の高座では会場全体が正明師匠の審査(かおいろ)を伺っており、盛り上がるものも盛り上がらないとカシオ記者が言っています。果たして会場は阿良川ぜんまいの高座の時のように沸いたんだろうか?と。

そう考えると、阿良川ぜんまいが会場を沸かせた事は別に加点に繋がらなかったと推測できます。正明師匠はあくまでも‟作品”の完成度だけで点をつけているのではないかな?

カシオ記者が正明師匠に対して苦言を呈していますけどね。賞レースではままある事だと思われます。過去のM-1グランプリでネタを見る島田紳助さんと松本人志さんの審査(かおいろ)を伺う演者と会場というのはあったと思うんです。

強すぎる大看板の存在感!

阿良川ひかるの演目は「番町の皿屋敷」

続く三番手 阿良川ひかるの登場に会場は今日一番の盛り上がり。人気、華、そして会場の期待感のどれもが今までと段違い。座布団についた阿良川ひかるは枕ナシで演目に入る。

彼女が演目に選んだのは「番町の皿屋敷」。

これは意外でした!

まさかの怪談噺であります!

しかし「新たな世界」を魅せると持って来るにはうってつけですね。そして阿良川ひかるという落語家に怪談噺というのは考えてみれば合うんですよ、これが。

演じる阿良川ひかるがチラリと見やった舞台袖には、

あかね噺 第165席 比類のない女だからよ
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社

そこにはいないハズの阿良川あかねが、演目のお菊さんと重なり「比類なき女」として阿良川ひかるを見つめていました。こういう演出、ホント上手ですよね~!!

阿良川ひかるは、阿良川あかねを見据えて「番町の皿屋敷」を演じているんですね。これが落語家としての阿良川ひかるの稀有な資質を引き出すのです!

思っていたより競技者だった

師匠の阿良川一剣が言うにはですね。

あかね噺 第165席 阿良川ひかるは思っていたより競技者だった
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社

思っていたよりも「競技者だった」というものでした。

自らの表現を追求するよりも競争心、他者との優劣や結果にこだわるよねと。これを否定的な意見と阿良川ひかるは取るのですがそうじゃない。その表現者の世界では稀有な資質をもっと使うべきだと進言するんです。

これがあったからこそ、袖に阿良川あかねという「全てを懸けて挑める相手」がいると想定して「番町の皿屋敷」を演じているんですね。からしもまたその相手なんだけど、まずは阿良川あかねなんだ!

燃え盛る情感が君を煌めかせる

勝負に没頭し、胸の裡を曝け出しなさいと教わった阿良川ひかる。会場は彼女の手から上がる青白い火の玉が見え、まるでそこにお菊さんがいるかのように錯覚。

ラストシーンはまさにホラーです!

あかね噺 第165席 阿良川ひかる「恨めしやぁ」
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社

燃え盛る情感が君を煌めかせる!

演目のお菊さんの情念と、阿良川ひかるが曝け出した自らの情念が重なるんですね。まさに新境地といったところです。もう描き込みから何から凄いんですよ!

さぁ これを正明師匠はどう見るか。

ちゃんと作品に落とし込んでいるんです。

これは評価に値すると思われます。

会場を演目の世界に引き込んでいますし、その表現力は申し分ナシと言いたいところ。

しかし、まだ早いですね!

まだ後半が残っております。そこで阿良川ひかるが更に何を魅せてくれるのか。ここに注目したいですよね。「番町の皿屋敷」という演目のオチも知りたいんです。

凄く楽しみ!!

まとめ

これまで怪談噺というと阿良川魁生の「真景累ヶ淵 豊志賀の死」だとか、志ぐま師匠の「死神」がありましたね。落語は色んな演目があって、それが知れるのも「あかね噺」の面白いところ。

第165席の感想・考察まとめ
  • 二番手の喧風亭さ流は第2位
  • 高座中ですら会場全体が正明師匠の審査(かおいろ)を伺うほど
  • 阿良川ひかるの登場に会場は今日一番の盛り上がり
  • 阿良川ひかるの演目は「番町の皿屋敷」
  • 袖に阿良川あかねがいるものとして演じる阿良川ひかる
  • 一剣師匠が思っていたより競技者だった
  • 燃え盛る情感が阿良川ひかるを煌めかせる

どうなるのか次回が楽しみであります!

ありがとうございました!!

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