この記事では、週刊少年ジャンプ2025年33号に掲載された「カグラバチ」の第86話「胎動」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
飛宗の刀身にヒビを入れるのに成功したチヒロだったが、すぐさま座村は‟雀”で直してしまいます。何よりも手放したくない過去があるから全力で生きていると訴えるチヒロ。走り出すイヲリ。ついに座村は閉ざしていた目を開く──
未来に目を向ける座村
何度でも示してみせると刀を構えるチヒロですが満身創痍で視界もぼやけた状態。鼻から血が出るのは玄力の使い過ぎで起こる症状でしょうか。もう体力も玄力も限界。
気を失い倒れそうになるチヒロでしたが、それを座村が支えつつ‟雀”を発動。チヒロの傷ついた手と体力を回復させてあげます。ついでに郎のサングラスのレンズも直してあげていますね(割ったのは座村)。
チヒロの言葉で淵天が共同製作だと察した座村。それで六平がチヒロと共に未来を作り上げようとしていた事に思い当たるんですね。六平は未来に目を向けていたんだな… と。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
そしてチヒロの「今はまだ…」というような言葉をさえぎり、「これからだ… わかってる」と理解を示します。これは未来(これから)に目を向けるよって意思表示ですよね。絶望じゃない、未来の光に目を向ける。
そして言うんですね。
淵天とチヒロ、お前ならやれるよ… と。
これは先の「根負けだ」を打ち消す発言だと思うんです。諦めたんじゃない。ちゃんとチヒロを認めた。俺の生きる道をしっかり示したんだと認める発言だと感じます。
しかし座村にはまだ真に向き合うべき人がいる!
座村とイヲリ
イヲリの方を振り返った座村。「あれからもずっと剣を続けてたのか」と声をかけます。いやいや、違うでしょ! もっと言わなきゃならない事があるでしょ! と。ホント不器用なんです(笑
座村に怒りをぶちまけるイヲリ。
彼女が最も許せないのは、父と共同で作ったお弁当を食べた時の母の笑顔という3人の時間を失わせた事。それを忘れた事すら思い出せなかった。ここに怒っているんですね。
淵天が六平とチヒロの共同製作だったと知った今、このイヲリの言葉は座村の心に大きく響いた事でしょう。あの日の「お弁当」と「淵天」というのは重なる存在だと思われます。
座村は大きな過ちをおかしていた。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
それでも座村とイヲリは共に未来へ歩んで行けるんですね。
チヒロにはもう父はいない…
泣くイヲリを抱き締める光景を見たチヒロがそっと目を伏せるんです。このシーンは切ないなぁ。チヒロの表情は何とも言えませんね。まさに言葉が出ないとはこの事。
これでもうイヲリの記憶を封印する事はないんでしょうね。
神奈備本部に毘灼が奇襲の報せ
チヒロと共に未来に目を向ける決意をした座村でしたが、毘灼との協定についてどうしたものかと思案します。「妖刀のありか」「神奈備の裏切者」という2つの情報が手に入らなくなるからです。
そこに郎が先ほど報せがあったよと。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
神奈備本部に毘灼が奇襲!
それも巻物にファクシミリ! 笑
この報告に驚く座村。
毘灼の意図をはかりかねています。しかし毘灼が本部に奇襲をかけるという事は「神奈備の裏切者」が動いていてもおかしくない。毘灼に聞かなくても炙り出す好機とも言えますもんね。
妖刀も毘灼も全部一緒に片付けに行きましょうとチヒロ。郎からサングラスを受け取り、2人は東京に向かう事になります!
剣聖vs.5人の妖刀契約者
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
斉廷戦争のワンシーンが挿し込まれます!
それは戦争末期であり、厄災となった剣聖を食い止めようと5人の妖刀契約者が立ち向かっているシーンなんでしょうね。剣聖は崩れつつも宙に浮くビルの上で‟蜈(ムカデ)”を発動しています。
そこには毘灼に殺害された巳坂(双城の前の刳雲の契約者)の姿もあり、まだ未登場の2人の妖刀契約者も描かれていますね(まだハッキリ描きたくないのか小さめです)。
巳坂も‟鳴”で放電せずに体に纏うという使い方をしています。
そして建物を崩しているのは漆羽洋児の持つ酌揺の能力‟遊”によるものでしょうか。しかし、その使い方は「万物への軽視」を持つ昼彦だからこその本領だったような…。もしかすると瓦礫を浮かしているだけかな?
ともかく座村は最後尾に控えており、4人の援護にまわっていた風になっていますね。‟鴉”を発動しながらなので、完全なる回復担当とまでは言えなさそうですけど。
18年間座ったままだった剣聖が動いた
舞台は変わって東京の神奈備本部。その最下層にある監視室が描かれ、そこでは何人かの職員が幽閉している剣聖をモニターで監視していました。
剣聖を囲む柱は生命維持装置のようなもので、自害する気力も出ないほどに最小限の栄養を供給する仕組みになっているそうです。ただ生かされているだけ。剣聖は18年間座ったままで動いていなかった。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
それが「そろそろか」とおもむろに立ち上がる剣聖。
いつでも動けたんでしょうね。
あえて動かなかっただけかも。
そして職員が言う「まさか」であって、上層部で騒動が起きている事を察しての動きなんだと思うんです。かねてから毘灼と打ち合わせがあったのかは不明です。あったとすればトンデモナイ事になります。
柱の外、その部屋から出ちゃうのかな?
もう何をし出しても不思議じゃない感じがします(汗
神奈備本部を襲撃する毘灼の狙い
この状況でチヒロと座村は東京へ向かう事になるんですね。飛宗の能力を使って京都から東京へ飛ぶのでしょう。一気にワープできるのかは分かりませんけど。
ここで思い出したいのが毘灼の狙いです。
第75話の幽の話によると、神奈備本部の襲撃というのは座村対策なんですね。
座村というのは上手く操って十分な利益を得たならば壊してしまわないといけない。だからこそ弱点である娘(イヲリ)の身柄を手にするために京都で3人(昼彦・久々李・斗斗)を動かしたワケです。
しかし京都の攻防が上手くいかなかった場合を想定した‟二の矢”として、幽は真打のある神奈備本部にやって来た。こういう話だったハズです。
つまり神奈備本部には座村を壊すための何かがあるんです。毘灼の考える座村が辿るべき末路、その運命を決定づける鍵が神奈備本部にはあるんですね。
さらに今 考慮すべきは、
もう毘灼にとって座村は用済みになっているという点です。座村はチヒロと手を組んだのであり、毘灼との協定を一方的に反故にしたんですね。そんな事はまだ毘灼は知らない。しかし、もう毘灼にとって座村は壊れていいんです。
そう考えると、おそらく座村が壊れてしまいかねない何かが神奈備本部にはあるんです。そこに剣聖が動いたワケですからね。もう思い浮かぶものといったら…。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
これから剣聖が遠隔で‟蠱”を起こしちゃうのかなぁ。
それは座村に絶望的な未来を見せるという事であって。
毘灼の狙いとしては、剣聖が動いてくれた事で襲撃は成功?
つまり剣聖を突っつく事が目的だった?
これが毘灼の計画なんじゃないかな?
もしも座村が‟蠱”が起きているのを見てしまうなんて想像しただけでも恐ろしい。その精神は完全に破壊されてしまうかも。
そうさせないためにハクリは真打を「蔵」の中に入れてしまわないといけない。「蔵」の中なら‟蠱”が起きても被害を食い止められる。
この展開じゃないかしら。
まとめ
京都から東京へ。チヒロと座村が加わって神奈備本部の攻防がどういう形になるのか楽しみで仕方ありませんね。ストーリーの構成が素晴らしいとしか言いようがありません!
- 淵天が六平とチヒロの共同製作だと知った座村は、チヒロとの未来に目を向ける決断をする
- イヲリが許せないのは3人のあの時間を失わせたこと
- 座村をイヲリの光景に目を伏せるチヒロ
- チヒロと座村は東京へ
- 斉廷戦争末期のワンシーン
- 18年間座ったままだった剣聖が動いた
- 毘灼の狙いは神奈備本部で‟蠱”を起こすこと?
次回が楽しみですね!!
ありがとうございました!!
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