この記事では、週刊少年ジャンプ2025年33号に掲載された「あかね噺」の第166席「煌かせる」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
高座中ですら会場全体が正明師匠の審査(かおいろ)を伺うといった状況の中、ついに三番手で登場した阿良川ひかる。選んだ演目は「番町の皿屋敷」。一剣師匠が「競技者」だと評するひかるの燃え盛る情念が炸裂!
今週のセンターカラーは触れないワケにはいきますまい。阿良川ひかるが表紙を飾った「月刊 声優グランプラス」。これどこに売ってるんですか? 笑
もうホント素晴らしいですね!
ひかるの原動力は‟怒り”
ひかるが声優になったキッカケは兄からの影響。彼女には2つ上の兄の存在が語られていました(第67席)。その兄がハマったアニメを横で見ていて、ひかるの方がハマってしまう。それで声優を志す。
ただし、火をつけたのは母の存在でした。この母というのも初期から登場していましたね。ひかるの電話口の向こうでしたけど(第18席)。ひかるが声優のなる事を母は真っ向から否定していたのです。
この母を見返したいという気持ちですかね。
ひかるの原動力はいつだって‟怒り”。
母に対する‟怒り”を原動力にして今まで声優として頑張って来れた。ここまで来れたのだと話しているのでしょう。これは落語に関しても同じだと思われます。
ひかるが落語を始めるのは、演者・高良木ひかるとしての力を試したかったから。それで可楽杯への出場を決めます。声優としての名声を得ても、それは作品が評価されているに過ぎないと考えたからです。
それがキッカケですが、火をつけたのは別です。
可楽杯の結果がひかるに火をつけたのであり、阿良川あかねに勝つ為に彼女は落語家になったのです。ひかるの落語家としての原動力は阿良川あかねに対する‟怒り”である。
緊緩
会場全体が椿家正明師匠の審査(かおいろ)を伺うといった異常な光景にも変化が訪れます。今や会場は阿良川ひかるの迫力に呑まれている。その手腕は見事だがテレビ的のはどうかしら?と桐谷ほなみ。
瑞雲大賞はバラエティとして放送されているので‟笑い”や‟楽しさ”が求められる。演目のチョイスもそうでしょうが、前座選考会でも話が出ましたが会場で生で見るのと映像では違いがありますからね。テレビの向こう側は楽しめているのかと。
しかし彼女の心配は杞憂でした。
僕も初めて知ったのですが、「番町の皿屋敷」という演目は誰もが恐れる幽霊がアイドル的な人気を博す噺なんですってね。怪談で知られるストーリーと落語の演目は違うんです。
阿良川ひかるによる情感たっぷりの恐ろしいお菊さんが実はメチャクチャいい女だと判明するところで会場は大盛り上がりです!これには桐谷さんもビックリ!
緊張の緩和、‟緊緩(きんかん)”ですね!
ただし、ここで終わりません!
燃え盛る情感が貴方を煌めかせる
声優・高良木ひかるのマネージャー(円さん)によると、彼女の持ち味が光るのは寧ろココからだと言うんですね。ひかるの不断の努力をずっと隣で見て来た彼だからこそ分かる。
ひかるが原動力とする‟怒り”はいつだって自らを高める為に向けられて来たと。その‟怒り”を糧に咲いた‟華”。それは決して持って生まれたものではないと言いたいのでしょう。
燃え盛る情感が阿良川ひかるを煌めかせる!
この前回のヒキとの落差たるや!!
ドキッとします、この表情!
そして画力が凄い!!
一剣師匠と円さんのどちらもが「燃え盛る情感が君を煌めかせる」と言っているのですが、ひかるは全く違った表現力に昇華させているいるんですね。ここもまた‟緊緩”になっているんです。
正明師匠の評価はいかに
気になるのが正明師匠の評価であります!
第164席の阿良川ぜんまいの高座において言葉遣いについての指摘がありました。阿良川ひかるの「マジかよ…」というのが引っ掛かったのですが、この言葉は江戸時代から使われていたそうです。勉強になりました(笑
もう一つ言っていたのが「演者ばかりが立ち 噺が入って来ない」というものでした。この点はどうなるか分からない。お菊さんを見せられているというより、阿良川ひかるの存在が立ちすぎていると言われてしまうのだろうか。
まぁでも問題は‟作品”としての完成度ですよね!
予想としましては… 90点出すんじゃないかなぁ?
からしとあかねを残していますからね。
果たして2人は阿良川ひかるの得点を超えられるのか?となるような結果にしそうな気がするんです。それなら正明師匠は高得点をつける事になると思うんですけどね。
一生師匠の縛りと「テレビ的にどうかしら」
もちろん阿良川ひかるの高座はとても良かったですし、彼女のバックグラウンドが知れた事も良かったんですけどね。最も気を引いたのが桐谷ほなみのセリフでした。これが今後どう出るのか。
瑞雲大賞はバラエティであり求められるのは‟笑い”や‟楽しさ”である。阿良川ひかるの高座に対して「テレビ的にどうかしら」としました。しかし、阿良川ひかるはオチの所でドーンとひっくり返しました。
求められているものをシッカリ提供したのです。
これから出場する阿良川あかねは一生師匠から「客を笑わせずして勝ってみせろ」と言われているんですね。この一生師匠からの縛りがどう出るのか?なんですね。阿良川あかねはクリアするつもりでいます。
これホントどうなるんだろう?
桐谷ほなみのセリフは阿良川ひかるに向けられたものなんですが、読者からすれば後から出て来る阿良川あかねに向けての言葉とも取れるんですね。しかも阿良川あかねの今の状態はまさに幽霊・お菊さんなんですよ。おどろおどろしい。
さらに本来ならドカドカとウケが狙える賞レース向きの演目であるハズの「吝い屋」を、客を笑わせずに演じるなんて‟作品”を壊してしまっているんじゃないのか?と思わずにいられないワケです。
何が用意されているのか楽しみで仕方ありませんね!
まとめ
色々と興味深い回だったと思います!
- ひかるの原動力は‟怒り”
- 声優は母に対して、落語家はあかねに対して
- ‟緊緩”で大ウケ
- 「番町の皿屋敷」は誰もが恐れる幽霊がアイドル的な人気を博す演目
- ひかるは‟怒り”を常に自分を高める為に向けて来た
- 怒りを糧に咲いた‟華”
- ひかるを煌めかせた燃え盛る情感の前回と今回の違い
- 桐谷ほなみの指摘と一生師匠の縛り
次回、ひかるの審査でしょうか?
楽しみで仕方ありませんね!
ありがとうございました!!
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