この記事では、週刊少年ジャンプ2025年35号に掲載された「カグラバチ」の第88話「皮切り」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
曲者処刑場の前で待機していたのは幽を含めた毘灼メンバー5人。彼らは結界核の職員と時間を示し合わせており、一気に第五層までの侵入を果たす。そこはハクリと漆羽洋児がいる場所。漆羽さんが20年近くぶりに使う妖術とは──!?
上層部隊による毘灼包囲
神奈備本部の第六層「結界核」──
毘灼が侵入したのは第五層の西側。それを聞いた亥猿さんは各上層部隊に連絡して毘灼を包囲するように指示を出せと命じます。内通者の特定はできていませんが、そんな事は言ってられない。
ともかく動かしておいて、その動向を探るって事ですね。
下士官以下は引き続き‟何もするな”です。これは毘灼から仕込み妖術をかけられている50人を捉える為でした(第81話)。それらの者が動いて死んでしまうと、余計な混乱(松の妖術の発動)を招いてしまう。だから‟何もするな”。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社神奈備の前身「対妖術戦略陸軍」の階級
ちなみに「下士官以下」というのは、神奈備の前身「対妖術戦略陸軍」で採用されていた階級制度のおける曹長より下という事でしょうね。下っ端の職員が当てはまるのでしょう。
上層部隊には第五層の西に向けて攻めるよう命令し、中央には寄らせるなと言っています。中央に下層へのエレベーターがあるんでしょうか。そこに毘灼は向かわせるなって事なのかも。
白廻斬が登場
漆羽洋児の姿を確認した幽が「生きているはずはないんだがな」と呟く。これで座村清市が裏切っていた事を毘灼も認識。これから座村さんが来たとして、毘灼が彼を味方だと思う展開はありません。
一方の漆羽さんはチヒロの妖術の現状について聞きます。威葬はあと少しインターバルが必要だが転送の方は使えますと。ただし今まで登録していたものはリセットされたそうです。
敵は毘灼5人を含めて7人。2人はそれより以前から追って来ている者達ですね。1人は区堂さんに化けていた者で、もう1人は女性。どちらも上層部隊に所属する裏切者です(誰の部隊かは不明)。
まず向かって来たのはその2人で、区堂さんに化けていた男が飛び掛かったところで斬れてしまいます。天井を四角にくり抜くように斬ろうとする刀の切っ先に当たってしまったのです。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
天井から現れたのは白廻斬(キリちゃん)!
自分の背丈ほどもある非常に刀身の長い刀を手にしています。漆羽さんは彼女と顔見知りで「斬ちゃん」呼び、それに対して「うるは」と呼び捨てです。
彼女は居合白禊流の開祖・白廻逸夫の孫であり、座村さんと漆羽さんの2人でよく世話をしていたという間柄なんですね。キリちゃんからすれば漆羽さんは使用人(召使い)のようなものなのかな。それで呼び捨て?
幼少期のキリちゃんを世話する座村さんが描かれるのですが、彼はすでに目を閉じています。仮に斉廷戦争がキッカケで目を閉じたとすれば、その描写は戦後になるワケですが… キリちゃんは何歳くらいなんでしょう。
失踪中の白廻逸夫とキリちゃん
8巻で白廻逸夫(79)が「行方不明」であるとの情報が出ていたのですが、実は「失踪中」である事が判明しましたね。人と斬り合うのに飽きたと言い、でっかい熊を狙って山籠もりでもしているみたい。
とは言え孫のキリちゃんとはメールのやり取りをしており、電気の通っている場所には住んでいるようです。メールのやり取りをみていると微笑ましいものがあるんですけどね。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
白廻逸夫は剣に関して超男尊女卑の考え方を持っているらしく、そこがキリちゃんとしては気に入らない様子。だから「おじいちゃんも長生きしてね」のメールの裏にはトンデモナイ本音が隠れています(笑
これってどうなんでしょうね?
白廻逸夫が孫のキリちゃんの事を可愛がっているのは間違いないんですよね。剣の道の厳しさを知っているだけに、みたいな。そんな言葉の裏返しが超男尊女卑で、祖父も祖父なら孫も孫って事も考えられますよね。
ともかくキリちゃんが大刀を持つのは「女のほっそい腕には重ェだろ」と言われた事の反発心からだと思われます。おじいちゃんの言葉に反して、その大刀を見事に操るんでしょうね!
漆羽洋児の妖術は「紅演」
毘灼の構成員の1人で、幽から「毘灼で一番強い」と言われていた者が漆羽さんに挑みかかります。その前に漆羽さんを見て「……」と睨みつけているんですよ。何か思う事があるみたい。
どうも居ても立っても居られずに飛び出したって感じなんですよ。これは漆羽さんが「斉廷戦争で活躍した妖刀契約者」である事に理由があるのかもしれないんですね。言いようもない恨み?と言いましょうか。
そんな彼を漆羽さんが回し蹴りで吹き飛ばします。
それは物凄いパワーであって、
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
漆羽さんの妖術「紅演(こうえん)」によるものなんですね! これは能力の一点を強化する妖術みたいです。強化系の妖術。それを発動すると目じりの‟隈取”が広がります。
この後に幽と刀で打ち合うのですが、「驚異的な速度だがさっきのような破壊力はない」と言われているんですね。その「脅威の速度」も居合白禊流によるものなのかハッキリしませんし、まだ分からない点があります。
幽の目と剣聖の目の秘密
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
漆羽さんとの会話中に幽の目が変化し、それが剣聖の目と同一なんですね。どうやら漆羽さんもそれに気づいており、「お前──…」と何かを言いかけています。
これは以前から僕も気になっていました。幽と剣聖の目って同じような描き方をしてるよなぁと。今回はハッキリと2つの目を並べて描いていますから、そこに何かがあるのは間違いないんです。
ここには色々な理由が考えられるのですが、
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
幽は3年かけて真打の封印を解いているんです。
その時に何かあったんじゃないだろうか?
ただし封印は解いたものの、幽は箱を開けてはいませんし真打を握ってもいません。漣京羅のような事はしていないんです。
ならば封印を解く過程で… 真打を介して剣聖の何かに触れてしまったんじゃないだろうか。だからって今のところ幽が剣聖に操られている感じは全くありませんしね。そういう事じゃないんですよ、おそらくはね。
幽は幽としての自我を持ち、彼は剣聖を殺害して真打を振るうのを目的としています。幽と剣聖とは敵対関係にあります。幽は幽です。
しかし、18年間座ったままだった剣聖が「そろそろか」と立ち上がりました(第86話)。これが幽の接近を感じたのだとすれば、剣聖から幽に対しては何かあるって事になるんです。感知するものがね。
斉廷戦争で剣聖と真打は‟吞み合った”と言うんです(第72話)。それで厄災となったのですが、幽が真打の封印を解く際に彼もまた厄災に呑まれていたって事なんじゃないのかな?
こういう事になるのでしょうか?
幽と剣聖に接点があるとすれば、
- 斉廷戦争の戦時中
- 真打の封印解除
この2つしかないと思うんです。
斉廷戦争の時に接触していたなら死亡しているハズなんだと思うんですよね。
キリちゃんの剣術
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
ラストでハクリに対して「下がってて」と言って白廻斬が刀を構えているのですが、それはまさに「居合白禊流」の構えなんですよね。座村タイプじゃなく、人差し指を立てる漆羽タイプです。
その上のコマで自分に対して刃を向けています。
ただし斬ちゃんは鞘を持っておらず、これでは居合白禊流は使えないんです。鞘に玄力を閉じ込め、抜刀の際にそれを爆ぜさせるのがポイントですからね、鞘は必要不可欠なのです。
しかし構えは居合白禊流なんですよ。
どういう剣術を見せてくれるのか本当に楽しみです!
まとめ
毘灼との戦いもありますが、これから駆けつけてくる上層部隊の方も気になりますよね。内通者の出方、さらに誰の部隊が裏切っているのか。ハラハラします!
- 亥猿から各上層部隊に毘灼を包囲するよう命令
- 亥猿隊・白廻斬(キリちゃん)は白廻逸夫の孫
- 白廻逸夫とキリちゃんの関係性
- 漆羽洋児の妖術「紅演」は強化系
- 幽の目と剣聖の目の秘密
- キリちゃんの剣術と居合白禊流
次号はセンターカラーです!
楽しみですね!!
ありがとうございました!!
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