この記事では、週刊少年ジャンプ2025年35号に掲載された「あかね噺」の第168席「私は強くなった」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
落語に懸けた日々は阿良川ひかるにとって誇りであり、芸に活きるのなら全部差し出す覚悟があった。阿良川ひかるの十八番「お菊の皿」は大歓声の中で終演。一剣師匠は「落語家らしくなったじゃない」と評価するのだった──。
阿良川ひかるの得点
予選の時より感情が乗った高座だったと言う円マネージャー。その理由は昨日彼女がライバル2人から受けた刺激によるものだと考えています。勝負にのめり込んだ事が功を奏して一安心といったところか。
しかし、問題は審査員の評価であります。
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社桐谷ほなみ 96点
ブギウギ真田 94点椿家正明 86点
合計276点で順位は第一位に躍り出ました!!
阿良川ひかる | 276点 | 桐谷:96点 真田:94点 椿家:86点 |
阿良川ぜんまい | 256点 | 桐谷:91点 真田:90点 椿家:75点 |
喧風亭さ流 | 254点 | 桐谷:90点 真田:90点 椿家:74点 |
審査員3人共に点数を上げているのですが、特に審査員長の正明師匠が10点以上の差をつけているのがポイントなんですよね。先の2人(ぜんまい・さ流)より頭一つ抜けているとの高評価になります!
阿良川ひかるの86点という得点を見て思ったのが、もう10点上の点数が出る余白を残したなと。ここなんですね。阿良川ひかるは先の2人よりも10点以上の差をつけた。その彼女も後から10点以上の差をつけられる可能性があるぞと。
本当にそうなるかどうかは分かりませんよ。
ただ、そう思わせる点数(演出)になっている。確かに阿良川ひかるの得点は伸びたが、カシオ記者が3人の落語家を並べて「横並びでは低く見えるが」と言っているんですね。86点はやっぱり低いんですよ。
椿家正明の講評
司会の阿良川剣びしさんがビシッと最初にお話を伺ったのが椿家正明師匠でした。全く良い仕事するぜ! 出演者も関係者も観客も、みんな正明師匠の講評こそが聞きたいだろうからね。
すかさずマイクを手に取る正明師匠。その際にお着物の袂を「ピッ」と押さえる所作がまた品があって良いですね。全てが洗練されております。
では正明師匠はどう講評したのか。
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社
ブギウギ真田さんの言う通り褒めてはいます。
ただし、正明師匠がどういう落語家であり、これから阿良川あかねの高座の何を評価の基準にするかが分かっていると… 阿良川ひかるに対する講評の見方が変わって来ると思うんです。
演目(作品)としてはイマイチですが、阿良川ひかるはそれを自身の持つ‟華”と高い技量でカバーできていたので見られるものになっていました。こういう事なんだと思うんですね。
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社‟作品派”でもやれるって思わせることが出来たら ‟死神” 稽古つけて頂けますか?(第153席)
よって、もしも阿良川あかねがこの評価を受ける事になれば「死神」は教えられませんと断られるんだろうなと。そう思わずにいられないんですね。あかねとひかるの評価を分けるのはココになりそう。
これらはあくまでも裏側の話であって、ブギウギ真田さんもカシオ記者も観客も知った事ではありません。当の阿良川ひかるだって知らない話。正明師匠は評価してると受け取ってしまう。しかし正明師匠の本心はどうだろう。
やはり86点は低いんですよ。おそらくね。
私は強くなった
実力者(椿家正明)から忌憚のない(相手に遠慮せずに率直な)評価を受けた阿良川ひかる。嬉しいけれど、可楽杯の時ほど込み上げるものはない。それは誰かの評価にすがらなくなったから。自分を信じられるようになったから。
きっと私が強くなったからだと自己分析します。
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社
阿良川ひかるを強くしたのは阿良川あかねとの出会いであって。今出せる全てを高座に置いて来たから、縛りを課して尚勝つというその覚悟を見せてもらいますからねと。あかねに一瞥をくれて去って行きます。
さらに三明亭からしの横を通り過ぎながら、昨日の「明日もどうせ俺が勝つ」というのを有言実行できるかどうか見せてもらいますからねと。横目で睨みつけて去るのでした。おそろしい。アスリートの目と言うべきか…(汗
三明亭からしの虚構(らくご)
阿良川ひかるの高座が終わって「仲入り」。休憩時間は15分程度らしいですね。その間も阿良川ひかるの好演と正明師匠の講評のインパクトが残した余韻で会場はザワついたままでした。
この空気で次に出て行くんですからね。優勝候補筆頭とされるプレッシャーと相まってやり辛いと思われるところですが、三明亭からしは楽しくて仕方がなかった。昨日より難度は上がったと感じてはいますけどね。
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社
いよいよ三明亭からしの出番です!!
カシオ記者は、Z-1で物議を醸した落語界の異端児である三明亭からしの「虚構(らくご)」が落語連盟副会長(正明師匠)の目にどう映るのかに注目しています。
そこでです!
第155席で瑞雲大賞への出場を決めた三明亭からしが「この間のZ-1で亜流の色がつき過ぎたからな」「色を消すにも濃くするにも連盟副会長の評価は使える」と話していたんですね。
亜流の色を消す高座を見せる可能性があるんですね!
もちろん「コレは落語なのか」と思わせたZ-1の時よりも、更に物議を醸すような高座で勝負に来る可能性もあるんです。それを正明師匠にブツけるのも1つの策です。
そればっかりじゃありませんよ、と。
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社
‟破邪顕正”三明亭円相一門としての顔、古典正統派の高座で勝負して来る可能性もあるんですね。それならばZ-1でついた亜流の色を消す事だって可能ですからね。Z-1の高座こそ‟虚構”(作り上げたものでフィクション)だったのか。
どちらであっても正明師匠の評価は知りたい!!
さて、どんな演目をするんでしょう。
まとめ
阿良川ひかるの高座で3話。三明亭からしもまた3話になりそうですね。そして審査に1話ですから阿良川あかねの出番は5話先になるでしょうか。それはまだ先の話。まずは三明亭からしに注目です!
- 阿良川ひかるは合計276点で順位は第一位
- 正明師匠の86点は思っていたより低い
- 落語家としての技量は評価するも作品の評価は低かった?
- 嬉しいが可楽杯の時ほど込み上げて来ない阿良川ひかる
- あかねとの出会いが強くした
- 三明亭からしの虚構(らくご)とは
からしの得点はひかるを超えるのだろうか?
見せてもらいましょう!!
次回が楽しみですね!!
ありがとうございました!!
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