この記事では、週刊少年ジャンプ2025年9号に掲載された「あかね噺」の第143席「こわいこわい」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事です!
フランスはパリで幕が開いた新章──
隆盛を極めんとする江戸落語界ですが、落語記者・樫尾の顔はすぐれない。3年前に阿良川あかねが表舞台から姿を消していたから。そんな樫尾がパリで、偶然にも高座に上がるあかねの姿を見つけて…
ここからですね!
「まんじゅうこわい」とパリ
パリにある「Bruno HALL」の高座に上がるあかね。そこにいるのは間違いなく阿良川あかね。3年前に姿を消して以来、もう落語を辞めてしまったと考えていた樫尾は思わずガッツポーズ!
しかし待てよ、と。演目は「まんじゅうこわい」。ここはパリだから落語はおろか“まんじゅう”って何?って感じでしょうからね(マドレーヌは全く違うよなぁ 笑)。
一抹の不安がよぎる樫尾。
客席のパリジェンヌの顔は見事に“素”です。
これが見事に変化していくワケです!
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
そっと拾い上げる球体のものが薄っすら見えてくる。
それが形を成し、粒あんの入った… それが“まんじゅう”と呼ばれる食べ物だというのがパリジェンヌにもわかり出す。
何も無いハズなのに確かに有る。
それを口に運べば、
「あぁ こわい」「まんじゅう こわい」と言いながら沢山の“おまんじゅう”を頬張る光景が見えてきて、その可笑しさがパリジェンヌに伝わる!
あかねの「洗練された表現力」が国境も文化の壁も越えわからせてしまう。
これってね?
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
第121席「師匠のおかげ」にて描かれたコロッケのシーンが思い出されました。前座最後の大一番であった「阿良川志ぐま独演会」で任された開口一番。ここで出てきたのです。
志ぐま師匠がコロッケを食べて見せる。
いや、
そもそも「まんじゅうこわい」という演目が、カラオケ屋であかねが志ぐま師匠に稽古をつけてもらったものだったんですよね(第2席)。
なぞってるんです、やっぱり。
これが次に繋がってそうな。
あかねに重なる志ぐま
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
樫尾の目には、阿良川あかねの姿に志ぐま師匠が重なるんですね。あかねの芸に志ぐま師匠の芸が重なると言った方が正しいでしょうか。
言葉も仕草も最低限で引き込むというのは、志ぐま師匠の「引き算の美学」です。どうやら志ぐま師匠の芸を磨くためにフランスにきてるんです。
それも、単身で。
これも志ぐま師匠がかつて、“若者の街”である渋谷に全く似合わない古典芸能・落語一つを携えて単身挑んだ道をなぞっているっぽい。
今回 樫尾があかねについて「進化」していると言う。
新章開幕で何が違っていくのかと考えるに、
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
第3席でも「まんじゅうこわい」を披露していて、そのあかねの姿に父である阿良川志ん太が重なるんでしたよね。この時は「らくご喫茶」の吉乃さんの目です。
志ん太→志ぐま
ここがポイントになってくると考えてます!
これまでは良くも悪くも父である阿良川志ん太が、あかねの落語修行において大きなウエイトを占めていたんだけど。ここから脱却するんだと思うんですね。
もっと言えば、
阿良川志ん太を破門にした阿良川一生、そこにあかね。
↑ これまでの この構図から、
志ぐまと一生、そこにあかね。
ここへと進んでいく章が始まりましたよと。これを大きく印象付けて描いているように思います!当然ながら「志ぐまの芸」が軸になるんですよね。
そこで今回のフランス修行です。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
あかねが志ぐま師匠の芸を磨き進化できたのは、後見人である一生師匠につかず3年間フランスで修行できたからだと思うんです。
日本にいれば、こうはなってないかも。
では、
フランス行きは誰が決めたのでしょう。
やっぱり 一生師匠なんでしょ?
ならば 一生師匠の意図とは?
ここになってくるんですよね!
あかね 日本に帰国
ともかくフランスの高座は大盛況で終わる。「HOURRA!」というのはフランス語で「歓声、万歳、やったあ」という意味らしいですよ。
劇場の裏口かな? あかねとの再会を果たす樫尾。思ってた反応と違ってて拍子抜けする樫尾です。全くビックリされない。それは、もう会場にいる樫尾に気づいていたんですって。
それは、あかねが…
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
フランスのお客さんに“気働き”できていたから!
あの会場にいたお客さん1人1人を意識して落語ができていた。それも全てのお客さんに対してです。楽しんでもらおうとね。これは弟子入りしてすぐの段階で享二兄さんに教えられた事です。
それができてるから樫尾を見つけた。
こういう事っぽいですよね。
凄みを増すあかね!
また近々と去っていくあかねに、日本にはいつ帰ってくるのか?と聞く樫尾。記者としてではなく“一ファン”として一日でも早く日本の高座に上がって欲しい!
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
その願いはすぐに実現する事になります!
番組表に「阿良川あかね」の名前が!!
「今昔庵りゑん」というのは“出がらしのお茶”の件であかねと因縁アリでしたね。“新人潰し”の異名を持つ二ツ目です。
しかし「交互」とあるので、あかねと顔を合わせるかどうかは不明ですね。「交互」というのは、その日によって4人のうちの誰かが出演しますって事ですもんね。
どちらかというと「椿家 正明」の方かな?
落語連盟の方です。
どうなるんでしょうね?
まとめ
さて、
しかし、すぐに日本の高座に上がる展開ではなさそうですね。次号は、あかねが飛行機の中でパリを振り返るという話になるそう。
ここも興味ありますよ!
どんな話が聞けるのでしょうか?
ありがとうございました!
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