この記事では、週刊少年ジャンプ2025年10号に掲載された「あかね噺」の第144席「在る」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事です!
ここはフランスはパリの高座。「国境も文化の壁も越え」「洗練された表現力」で喝采を浴びる阿良川あかね。そんな彼女に志ぐまの姿を重ねた樫尾。あかねの落語はフランスで進化していた。そして、あかねは日本に帰って来るという…
さて、ここからですよね!
ヨーロッパ修行は一生師匠の指示
ヨーロッパで修行して来い
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
成果をあげるまで日本に戻ることは許さん
3年前、あかねは後見人である阿良川一生からヨーロッパで修行して来るように指示されていた。期間は「成果をあげるまで」ということです。突然だったようです。
聞かされて驚くあかねですが、何であろうと退く訳にはいきませんからね。歯を食いしばりながらも「分かり… ましたっ…!!」と。まぁ言うしかないですよね。
特に「フランス」と決められていたのではなかったようです。ヨーロッパの中でもフランスを選んだのは、学問先生のお孫さん(エミリー)にお世話してモラルってえるって話が出たからかな?
一剣師匠(一生の弟子)もサポートしてくれたという話。色々と詳しいんでしょう。それ以外の渡航費用や現地での生活費の工面は “一生一門”で面倒を見ていたのだと思われます。
成果をあげるまで日本に戻れない。この“成果”というのは自己判断だと思われます。エミリーがどこまで落語をわかっているかはハッキリしませんけど。エミリーに認められたからという話ではなさそう。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社進化したあかねの高座
あかね自身がちゃんとした手応えを得た、成果あったと判断して帰国を決断したものと考えます。言われた成果なら上げましたよ、とね。
あかねは一生師匠の真意に気づいているハズです。ヨーロッパ修行が何のためであるかを。そうじゃなきゃ帰国は決断できない。いつまでもフランスにいるでしょう。
一生師匠がヨーロッパ修行を指示した理由
ヨーロッパに修行に行けと言い、それなりのサポートを周囲に許してる。金銭的な補助もしていると思われます。あかねを潰すのが目的だとは思えません。
ちゃんと修行に行かせています。干してはいない。
ただし潰れれば… それまで。
何も知らない者からは「あかねは一生師匠に潰された」と思っているでしょうね。無茶ぶりすぎる。あかねが進化した高座を見せることで、そんな声を一蹴するんだと思うんです。
なぜ一生師匠はヨーロッパ修行をさせたのか。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社いいだろう
魅せてみろ 阿良川あかね!!
“志ぐまの芸”をモノにできるかどうか、「魅せてみろ」ってことでヨーロッパに修行に行かせたんだと思うんです。ここにつながっているんだと思うんですね。
あの第141席で対峙した時のやり取りがあってのヨーロッパ修行っぽいんです。ヨーロッパ修行は“志ぐまの芸”につながってそうなのです。
そしてそれは“人情噺”がキーになってそう。
二ツ目からは難しい噺に挑戦しなければならない。あかねは人情噺を覚えていきたいと言っていました。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社人情噺…
教えてもらえませんか?
あかねから人情噺を教えて欲しいと言われた志ぐま師匠が選んだのは“志ぐまの芸”。“志ぐまの芸”を継ぐと言っていた志ん太がこだわったのも人情噺(芝浜)。
ここにつながるものがヨーロッパ修行にありそう。
①落語家の人情噺を生で見るな
②洗練された表現力を身につけてみろ
この2つになるんじゃないかなぁ。
遠く離れたヨーロッパ。落語家の高座を袖で見ることはできない。たまに落語家がツアーで回っても、人情噺を演目に選ぶ可能性は低い。
あかねはまだ人情噺を勉強するな、と
その上で、今覚えている演目を言葉も文化も違う客に対して伝えられるだけの“表現力”を身につけてみせろ。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社フランス人に“まんじゅう”が見える
できましたよ、と。
樫尾には、まるで志ぐま師匠だと感じる程の表現力を身につけていたんですよね。これが“志ぐまの芸”をモノにするための土台となりそう。
つまり、
一生師匠はあかねに“志ぐまの芸”をモノにするために、今すべきことと今すべきでないことを示すためにヨーロッパに行かせたんじゃないかな?と。
一生師匠は一生師匠で応えてみせろって試してるんじゃないかな?
買い被りすぎかな?
モリスからのキーホルダー
日本へのフライト。あかねのカバンにはキーホルダーがつけられていて、それを見てフランスでの出来事を思い出すのです。そのキーホルダーが教えてくれたもの。
私には落語が在る
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
これは一生師匠が意図したものではないんでしょうけど、あかねはフランスに来たことで確固としたものを手にするんですね。これがあったから3年間の修行を乗り越えることができた。成果をあげることができた。
こういう話になってるんですよね。
そのキーホルダーはモリスというフランスの少年がくれたチップ。笑わせてくれた対価です。「ジュマペール(私の名前は)」と「ジュゲム(寿限無)」をかけてモリスに披露した落語って感じかな。
おそらくモリスは意味がわかって笑ったんじゃない。でも私には何もない訳じゃない。落語が在るじゃないか、心細く感じる必要はない。それを改めて信じさせてくれたエピソードになるでしょうか。
またいつか… このアヒル(CANARD)のキーホルダーを握って、フランスでの出来事を思い出すシーンがあるのかもね。日本に帰ってから再び困難に直面した時だとか。フランスでの修行が糧となっていることを実感する時に。
帰国後すぐに出番
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
さぁ あかねが東京に帰って来た!!
乗り物酔いをしてしまいましたが、すぐにこれから出番なんですって。このフランス修行の成果をみせる時ですね!前回描かれていた出番表のやつです。
気合もいれました!
あかねが進化した姿を見せる時です!!!
まとめ
フランスでの3年間はほとんど端折っています。これは回想の形で少しずつ描かれて行くと考えています。それで良いと思いますね!
- 一生師匠からのヨーロッパ修行
- フランスを選んだのは学問先生のツテ
- 一生師匠の意図は2つ?
- あかねに人情噺を勉強させない
- 持ちネタで表現力を洗練させる
- モリスが教えてくれた「私には落語が在る」
- フランス修行の成果を日本で見せる
続きが気になりますね!!!
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