この記事では、週刊少年ジャンプ2025年17号に掲載された「あかね噺」の第151席「決めごと」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
阿良川一生から‟志ぐまの芸”への道筋として提示されたのは3つの噺を極めるというもの。‟芝浜”と‟死神”と、もう1つは読者に対し伏せられました。改めて阿良川一門の真打になると誓ったあかね。‟死神”の稽古をと選んだのは椿屋正明でした。
八正師匠からの助言
まだ弥栄亭に出向く前、あかねは椿家八正師匠に連絡を入れていた様子。八正師匠も快く応じてくれたみたいで、正明師匠には単刀直入に稽古をお願いすると良いと助言を下さっていました。
ただし2つ心構えしておくべきだよと。
1つは、正明師匠はあかねの二ツ目昇進を快く思っていない事。もう1つは、稽古をお願いしても断られるだろうという事みたいですね。それでもあかねは弥栄亭にお願いに来た。
そして実際に断られるワケですが、あかねは食い下がります。
第31席にて、正明師匠は阿良川一門に対して快く思っていない事は描かれていたんですよね。一生師匠の横柄な態度と独自の昇進規定について苦言を述べていました。念頭にあったのは魁生の二ツ目昇進。
あかねの二ツ目昇進についても時期尚早と考えている正明師匠。ただし、あかね個人について負の感情は持っていないと言います。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
落語連盟とは違う昇進規定を設けた阿良川一生に対して負の感情を抱いている。ここが問題みたいです。だから、そういう規定がある以上は魁生やあかねがそれに沿って励むのは当然であり、そこに目くじらを立ててはいないよと。
これが稽古の申し出を断った理由ではない。
先代の無念
正明師匠は今昔亭ちょう朝からあかねの事を聞いており、それは「親父の無念を晴らす為に落語家に成ったんだとさ」というもの。それを聞いて自らの過去を顧みる正明師匠。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
正明師匠は父親(先代)から、この名跡を継いで無念を晴らしてくれという風な事を言われていた様子なのです。場所は病室です。先代は病気だったのでしょう。
おそらく無念というのは、病を患った事で何かを断念せざるを得なかったとか… その類いなんだろうと思うんですよ。もっと高座に上がりたかっただとか、落語家として極めたかった噺があったのに、みたいな。
あかねと父親(志ん太)というよりは、あかねと志ぐま師匠の方が当てはまるんじゃないかなぁ。もちろんポイントは病です。
この事で正明師匠はあかねに何らかの感情を抱いているのは間違いないのですが、それがどんな感情であるかは明らかになっていません。シンパシーを感じているとは限りません。
これが稽古を断る理由であるかは不明です。
正明師匠の高座の‟決めごと”
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
話しているうちに正明師匠の出番が来まして。‟決めごと”だと言ってあかねに時計を渡し、いくら稽古を頼んだとしても無駄だという事を「芸で示す」と言います。正明師匠の高座を見ればわかると言うんですね。
ポイントは時間なんですよ。
高座の時間を計っておく事で何かが示されるのだと思われます。これが稽古を断る理由につながるのだと思うのです。そうなるとアレの事かなぁと、1つ浮かぶものがあります。
正明師匠が稽古を断る理由
おそらく正明師匠の高座は常に同じ時間で終わるようになっていると考えます。もちろん演目によって変わるんでしょうけどね。例えば‟死神”をするなら25分間、みたいに決まっているんじゃないかな。
出番後にあかねに経過時間を聞き、「この演目の時は決まってその時間です」みたいな事を告げるつもりなんじゃないだろうか。
もしもそうだとすると、正明師匠の落語はガッチリ型にはまっているんだと思われます。いつ聞いても同じ。寸分違わぬセリフと間、くすぐりが入るなんて以ての外。それでも客を沸かせられるとすればね?
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
あかねの落語と対極にあるんだと思うんです。正明師匠はあかねの様な落語家に噺を教えたりはしたくないんじゃないかな?と。言ってしまえば、演目を崩されるのが嫌。
しかし、これがあかねの良さであり、それこそが‟志ぐまらしさ”と言われる部分ですからね。自由です。もしも、これが理由だとすると大きな壁に突き当たってしまう可能性があります。
ここまで見て来た正明師匠の「四角四面」という様な性格。これは高座にも表れそうですよね。そして時間を計るってそういう事っぽいんですよね。
どうなんでしょうか?
まとめ
しかし八正師匠は優しいですね。電話で助言をくれたり、後で弥栄亭に様子を見に来てくれたり。色んな事を教えても下さいます。まぁ正明師匠の高座については解説役がいてくれてこそですけど。
- 正明師匠はあかねの二ツ目昇進を時期尚早と思っている
- 正明師匠はあかねに負の感情を抱いてはいない
- 阿良川一門と落語連盟の確執
- 正明師匠は先代に何かを託されていた様子
- 正明師匠に時間を計るように言われたあかね
- 正明師匠が稽古を断るのは、あかねの落語と対極にあるから
さぁ次回は正明師匠の高座がたっぷり描かれそう。
どんな演目になるのかな?ここも楽しみだ!!
ありがとうございました!!
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