この記事では、週刊少年ジャンプ2025年29号に掲載された「あかね噺」の第162席「こんなもんじゃないだろ」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
「遊園地みたいな高座」を目指してのぞんだ瑞雲大賞予選。目まぐるしい速さでジャンルを横断する演じ方で観客を圧倒。「笑わせずに勝っちまうんじゃ」と泰そんに思わせるも、結果は5位であった。
ここからどう追い上げるのか!?
目次
第1回 キャラクター人気投票の結果発表
2月に開催されていた「第1回 キャラクター人気投票」の結果が発表されました。総投票数(ハガキ票+WEB投票)はなんと「30,987票」だったそうです!
この記事では、見事にTOP10入りを果たしたキャラクター(10人の噺家)を紹介したいと思います。
第1位🥇 | 阿良川あかね | 8,055票 |
第2位🥈 | 阿良川まいける | 3,464票 |
第3位🥉 | 阿良川こぐま | 2,843票 |
第4位 | 三明亭からし | 2,062票 |
第5位 | 阿良川志ぐま | 1,994票 |
第6位 | 阿良川ひかる | 1,500票 |
第7位 | 柏屋禄郎 | 1,282票 |
第8位 | 阿良川魁生 | 1,253票 |
第9位 | 今昔亭ちょう朝 | 1,107票 |
第10位 | 蘭彩歌うらら | 917票 |
あかねが断トツの得票数で首位!
これはやはり嬉しいですね! 僕もあかねには相当の数の票を投じました。そして主人公がキッチリ人気投票で1位を取るというのは良い事だと思うんです。この「あかね噺」という作風からしてもね。
2位のまいける兄さんも順当でしょうね!
志ぐま一門の頼れる兄さんであり、真打昇進試験編には本当に泣かされましたからねぇ。これまで何度も読み返す章であります。同じ意見の方は多いと思うな。
3位のこぐま兄さんは少々意外でした!
もちろん好きな兄さんですけどね… からしとひかるのライバル2人か、魁生あたりがTOP3に入って来るものだと思っていましたのでね。なるほどなぁと。
あれじゃあ 瑞雲大賞は勝てない
瑞雲大賞の予選が終わって会場を後にするお客さんに混じって2人の記者が感想を言い合っています。1人は阿良川あかねの5位の結果に納得がいかない様子。彼は第160席であかねの目配せで掴まれていた記者ですね。
賞レースで求められるのは‟凄い”より‟楽しい”の方で、客ウケに徹していた1位(からし)2位(ひかる)の方が満足度は高かった。腕はピカイチでも、あれじゃあ瑞雲大賞は勝てない。これがもう一方の記者の見立て。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
あかねもそれを感じていました。
本気で勝ちに行き、全て出し切った結果が5位。ダメなら変えるだけだが、これ以上何ができるものかと悩んでいますね。そのハードルの高さを改めて実感しているのです。
2人に意図を読まれていたあかね
自問自答しながら歩くあかねを待っていたのが三明亭からしと阿良川ひかるの2人です。ライバル2人にはもうバレていたのです。真剣勝負であるハズなのに何かやってるでしょ?と。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
からしからはもうズバリと「客を笑わせずに勝って来い」とでも言われて来たんだろと言い当てられてしまうんですね。お前にとっちゃココは修行の場か?みたいな。
ひかるが激怒するのも分かりますよね。
あかねとしては手加減しているつもりはないし、2人を舐めているワケでもないんですけどね。返す言葉が見つからない。
あかねのシンカとは
からしにとっては久しぶりとなる阿良川あかねの高座。それを聞いて思ったのは「想像の範囲内」というものでした。腕は上がってはいるが、可楽杯の時ほど差があるとは感じなかったと言います。
これを聞いてあかねが返した言葉がですね。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
本気で大会に挑んでいるのは間違いない。ただ、客を笑わせないというスタンスは変えません。その上で2人に勝ち、私のシンカというものを示してみせますよと。
このあかねの「シンカ」というのがポイントなんですね!
それは「進化」であり「真価」なんでしょうね!
この言葉で少し見えてきましたよ!!
今こそ意味を持つフランス修行
やはりフランス修行が鍵になりそうです!
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
樫尾記者がフランスで見たのは阿良川あかねの「進化」でした!
これがあかねの決勝の高座の鍵を握るのであって、
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
それが「洗練された表現力」である!!
これが予選の高座では足りなかった部分であり、まだからしとひかるには見せる事ができていなかったもの。だから「想像の範囲内」を超えるものではなかったと言われた。
そこにあかねの「真価」ってものを乗っけるのかな。
これまであかねが鍛えて来た落語の基礎。
一生師匠から「お前はこの修行で何を得た?」と問われた時の言葉になるのかな(第149席)。あかねは「新しく得るものより 得ていたものの大きさに気づく日々でした」と答えました。
あかねが「得ていたものの大きさ」です。
そこに、この瑞雲大賞というのが椿屋正明師匠から「死神」という演目を教えてもらう為のものである事を加味しますとですね。志ぐま師匠の「死神」というのがヒントになるのかもしれない。
志ぐま師匠はその表現力で観客を演目の世界に引き込みました。その方法は「最低限の言葉と仕草で世界を見せ深く引き込む」というものであって(第124席)。
その本質は「引き算の美学」でありました!
最低限の変化で魅せるからこそ、その機微を見逃すまいとより深く引き込まれる。‟引き算”の芸のその極致。これを志ぐま師匠はあかねに見せたかったのだと思うんです。
この最低限の変化による表現力というのが…
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
あかねの「千変万化」をより高いものに押し上げるのかな?
これなら「死神」の稽古をつけましょうと正明師匠に言わせられるのかどうか。これも瑞雲大賞において重要な鍵となるハズなので、その演目を十八番にする志ぐま師匠に近づけるかどうかも鍵になりそう。
そうなると「表現力」であり「引き算の美学」になりそうな気がするんですよね。
フランス修行で培ったのは「表現力」ですから。
月を見てあかねは何を呟く?
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
ラストであかねが月に向かって何かを呟いています。
お経のような感じになっています。
まるで「SAKAMOTO DAYS」の篁(たかむら)さんです(笑
おそらくですが、
これは「寿限無」の言い立てなんだと思うんですよ。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
あかねは今 考えすぎてしまっている。
フランスでそうなった時にあかねが頼ったのが「寿限無」であって。それがフランスの少年との出会いを生み、「落語が在る」という原点に立ち返らせてくれた。
これを思い出しているんじゃないかな?
そして、からしとひかるの2人のライバルと出会う事となった可楽杯であかねが演じたのが「寿限無」でしたよね。
呟いているのは「寿限無」っぽいなぁ。
あかねはこんなもんじゃないぞ!!
まとめ
からしとひかるに全て見透かされていて、その上で勝つと宣言したからには「笑わせずに勝つ」というのは基本路線になりそう。それで勝てるのかが見ものですね!
次回から決勝戦が始まるのでしょう!
- 第1回キャラクター人気投票の結果は断トツであかねが1位
- 今のままではあかねは勝てない
- あかねの意図は2人にバレていた
- あかねが示す「シンカ」とは進化であり真価
- 今こそ意味を持つフランス修行
- 鍵となるのは「表現力」であり「引き算の美学」か?
- 月に向かって呟くのは「寿限無」
次回が楽しみですね!!
ありがとうございました!!
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