この記事では、週刊少年ジャンプ2025年41号に掲載された「あかね噺」の第173席「信じる正義」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
三明亭円相に入門して‟伝統”の意味を知ったからし。彼が擬古典をやるのは残るモンを作りたいから。それは伝統の世界に作品を残すこと。今はまだ所詮ただの猿まねであっても──。
いよいよ三明亭からしの審査に入ります!
注目の得点は? 椿家正明師匠の講評は?
最新コミック18巻も絶賛発売中!!
からしの信じる正義
大好評のうちに幕を下ろした三明亭からしの高座。
カシオ記者もその進化を感じて手を叩いています。入門前の彼とは可楽杯の事ですね。改作落語における創作力は評価されていたものの演者としてのスキルは決してはくはなかった。ここをシッカリ身に着けて来たなと。
剣びし兄さんが‟びしっ”と審査に入ろうとするも──
ここで椿家正明師匠が審査に入る前に1つ聞いておきたい事があると言い出します。それは演目に登場する‟親方”のセリフに関する事なのですが…
ここまでを聞いて、「情報」の言葉選びの事でしょ?と。分かってますって、って感じなんですね。それは明治時代に誕生した言葉であって演目の時代背景(江戸時代)には適さないワケですね。
それでは作品の質が下がりますよ?と言われるのですが、からしは寧ろ上がると思っていると言い返します。師匠とは「信じる正義」が違うんですと。それは何に重きを置くかの違い。
からしは「万人を刺してこその大衆演芸」だと考えていて、整合性や作り込みも大切だろうが「分かり易さに勝る質はない」と言うんですね。ここは可楽杯の時から変わっていないんです。ぶれてない。
落語は伝統芸能である前に大衆演芸 (第20席)
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社
それがどういう結果をもたらすのか。
からしの得点
からしの得点は合計278点でした!
これで阿良川ひかるを抜いて1位となります。
三明亭からし | 278点 | 桐谷:95点 真田:96点 椿家:87点 |
阿良川ひかる | 276点 | 桐谷:96点 真田:94点 椿家:86点 |
阿良川ぜんまい | 256点 | 桐谷:91点 真田:90点 椿家:75点 |
喧風亭さ流 | 254点 | 桐谷:90点 真田:90点 椿家:74点 |
やはり注目は正明師匠の得点であり、その差は1点なんですね。ひかるより1点だけ高い。そして桐谷さんから1点下げた分、ブギウギ真田さんから2点上げて総合で2点上回ったという事ですね。
ひかるの高座で桐谷さんは思わず吹き出して笑ってましたよね(第167席)。それに比べてからしの高座では笑っている描写はゼロ。ここが得点に反映されているんでしょう。
ブギウギ真田さんの得点が上がったのは、演芸案内人の彼にとって高く評価できるものだったのを示しているんでしょうね。擬古典の作品としての質、そして歌舞伎のシーンの所作もでしょうか。
では、正明師匠の講評はどういうものだったのか。
椿家正明の講評
先の問答に関しては、やはり「私とは相容れない」というものでした。擬古典という古典らしさが売りの本性(本来の性質)においては、やっぱり言葉選びをキチンとしておいた方が良かったんじゃないかね?と。
ただし、この続きですね!
──ですが裏を返せば
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社
貴方の落語は古典に通ずる作品性を有していた
──と言えます
古典に通ずるものを感じさせるほどの作品だったからこそ気になった。それだけ作品(擬古典)を評価しているって事なんですね。(なんて顔で聞いてるんだ、からし 笑)
そして、からしの「信じる正義」についても理解してくれてます。言葉選びについても意図したものであったのが分かったワケで。減点はしましたが、まぁ軽微なものとしましたって感じですね。
作中劇の歌舞伎については高く評価していますね。手放しで褒めているといっても過言じゃないと思われます。それら加点が、先の言葉選びの減点を上回った格好であると。
これは嬉しいでしょうね!!
落語界きっての作品派である椿家正明から得た高評は、落語を創作する三明亭からしにとって価値ある評価であっただろう。そうブギウギ真田も話しております。
Z-1グランプリでは物議を醸した高座でありましたが、今回の椿家正明師匠の評価でまた風向きが変わるでしょうね。「亜流の色」というのは払拭できたんじゃないでしょうか。椿家正明のお墨付きを得たのですから。
あかねの勝算
ここまで正明師匠の講評を聞いていて1つ浮かび上がるものがあるんですね。それがそのまま阿良川あかねの勝算に繋がるんだろうと思うんです。
それは何か──
‟見”なんですね!!
正明師匠はひかるに「86点」からしに「87点」をつけています。その差は1点です。からしの言葉選びの減点については軽微なものと言っていますから、そこを直しても1点上がるかどうかなのでしょう。
あかねの得点は90点を超えて来ると考えています!
そもそもの正明師匠からのあかねの評価というのは「技量は認めますが 彼女には‟見”が無い」「まだまだ二ツ目の芸ですよ」というところからスタートしているんですね(第149席)。
そして、正明師匠からそう言われていた事をあかねは泰そんから聞いています(第153席)。それがどんな意味であるかを探していたのです。おそらくは答えを見つけていると思うんです。
おそらくですが、
ひかるとからしに対する80点台の得点というのは‟見”がない事を示しているのであって、高い評価を与えつつも「まだまだ二ツ目の芸ですよ」と言っているに等しいような気がするんですね。
あかねは2人より頭一つ抜けた点を取ると考えます!
問題は一生師匠からの縛りです!
出るのだろう 瑞雲大賞
出典:あかね噺|末永裕樹 馬上鷹将|集英社
笑わせるな
客を笑わせずして勝ってみせろ
これが他の審査員の得点にどう影響するのか。
ここまで桐谷さんもブギウギ真田さんも90点以下をつけていません。しかし、まったくウケない高座を見た場合は分からないんですよね。
正明師匠だってウケていないものを評価するとは思えないワケです。あかねのする「吝い屋」というのはウケが狙える演目ですから、それで笑わせないなんて作品を壊していると取られるかも。
しかし僕は大丈夫だと思ってます!
あかねは2人に対して圧倒的勝利をすると考えます!
3人の審査員、そして観客の全てから絶賛される高座!
それによって、さらに2人を落語の世界に引きずり込むんだと思うんです。正明師匠から一定の評価を得た2人に対してまだまだだよと思わせる。まざまざと「強いテメェ」を見せつけると思ってるんです。
可楽杯のフラッシュバックですね!
それは果たしてどんなものであるのか。
あかねのシンカに期待しましょう!!
まとめ
いよいよ阿良川あかねの高座がスタートします!
フランス修行からココまでの集大成が見れるものと考えています。ラストのコマを見る限り体調不良というのは大丈夫かなと。それよりも凄みというものを感じさせる表情になっていますよね。
どんな「吝い屋」が見れるんでしょうか。
- からしの言葉選びは「信じる正義」に基づくもの
- からしの得点は278点で現在1位
- 正明師匠の得点はひかるより1点上回る
- からしの落語は古典に通ずる作品性を有していたと高評価
- あかねの勝算は‟見”にあり
- あかねは2人に対して圧倒的勝利すると予想
次回が楽しみですね!!
ありがとうございました!!
コメント