【あかね噺 第177席の感想と考察】あかねの新たな領域への至りを見て不敵に笑う一生師匠

あかね噺 第177席 感想と考察 あかね噺

この記事では、週刊少年ジャンプ2025年45号に掲載された「あかね噺」の第177席「更に奥」の感想と考察を書いて行こうと思います!

前回の振り返りは下の記事になります!

正明師匠の言う‟見”とは世阿弥の俯瞰の極意「離見の見」であった。それにより観客をより深く噺に誘う事に成功したあかね。‟消える”の先に至れるのか──!?

今週はセンターカラーです!

神社の石段を上がるあかね達3人が描かれています。これは志ぐま一門の祭り「志喜彩祭」が催される宇坂天満宮でしょうか。とっても良い夏の1ページになってますよね!

そして「ONE PIECE magazine Vol.20」には作画の馬上鷹将先生の描きおろし漫画が掲載されています。それも「実録!アシスタントが見た尾田栄一郎」。馬上先生が長くアシスタントをしてらしたなんて知らなくて驚きましたよ。

コメントも掲載されていて必見ですよ!

「無駄に遣うな」

冒頭から「金持ちになる極意」を教わりに来た男の噺が描かれます。ガタガタの戸を開いて家の中の入ると真っ暗。家の中には、天井から吊るした石の下に着物を着ずに胡坐をかいている男がいるのですが…

これは第174席において、泰そんの背後に一瞬だけ現れて「無駄に遣うな」と告げた人物そのものであります(声の主はあかねだと思われる)。男とその横にある行灯が正にそれなんですね。

体調不良のあかねの為に冷えピタやポカリを買いに行こうとした泰そん。そんな彼に「無駄に遣うな」(=無駄遣いしなさんな)とあかねが言っている。そんなシーン。

あの時 泰そんが感じたのは「吝い屋」に登場する金持ちの極意を教えてくれる男だったワケです。泰そんはすでに阿良川あかねの新境地を魅せられていたのです。彼だけが先に体感していた。

こういう事っぽいですね。

ただし、まだその「無駄に遣うな」というセリフは出ていないんです。おそらくあるんです。演目の中で男が金持ちになる極意を教えるのに「無駄に遣うな」と言うシーンがね。

ここが真のクライマックスになるんだと考えます。

そのシーンに絡めて、泰そんが体験したもののカラクリが判明するんだと思うんですね。あかねが至ったもの。その境地がどんなものであるかがです。

それは次回のお楽しみになりそうだ!

更に奥

舞台袖で阿良川ひかると三明亭からしの2人も高座を見ている。

それが可楽杯で見た‟消える高座”だと分かったひかる。自身を完膚なきまでに打ちのめした圧倒的な阿良川あかねが帰って来たと戦慄しています。

一方のからしは‟消える高座”の正体は掴めているのだが、それだけでは説明できない「客席の空気」に違和感を覚えていました。そこが可楽杯の時とは違うぞ、とね。

この部分、からしの方がひかるよりも噺家として少し上というような描写になっていますね。決勝ラウンドの得点差は2点(からしが上)だけですけどね。

あかねの高座は可楽杯から進化している。ただし、どこがどう変わったのかまでは全く分からない。その境地に至っていないという事なんでしょうね。からしにとって未知の領域にあかねはいる!

それが何であるかは一剣師匠が教えてくれました。

客席は想像の世界の「夢うつつ」の中にいる。それは噺に入り込んだ更に奥。日常から解き放たれて噺に浸る心地よさの中にいるんですね。それはあかねが自分を押し付ける事なく聞き手の呼吸に合わせた程よい表現で演じているから。

あかねの噺への誘いは「その一点のみ大看板すら並び得る」とまで一剣師匠に言わせています。

ここは重要ですよ!

5位に終わった瑞雲大賞の予選前、あかねは「大看板の師匠連ほど身勝手極まりない」として「自分を押し通す力」こそが必要だと考えました(第160席)
客に合わせるのではなく、客が納得せざるを得ない位のパワーでゴリ押すイメージであるとね。それで目指したのが遊園地みたいな高座。
これでもかという位、あかねは自らの芸の力を客に見せつけたんでしたね。その結果が惨敗。

ここがもう見誤っていたんでしょうね。

大看板が客をどう噺に誘っていたのか分かっていなかった。

あかねの何がどう変わったのか分からないからしと同じく。

あかねはそれを見極め、その境地に至れた!

こういう事っぽいですね。

不敵に笑う一生師匠

場面は変わって「三呉(みつご)ホール」の控室。そこに居るのは阿良川一生師匠でした。これから独演会なんでしょうね。満員札止メであります。素晴らしい。

「三呉ホール」では蘭彩歌うらら師匠も独演会を開いていましたね(第44席)

控室のモニターに映っているのは瑞雲大賞。一生師匠はなぜかモニターを見てはおらず、音声だけを聞いているといった状況。あかねは見ちゃいない。彼女の「吝い屋」をただ聞いているだけです。

いつもの難しい顔をして聞きつつも、ニヤリと不敵に笑う。

あかねが至った事が分かったんでしょうね。

客を笑わせずして勝ってみせろの言葉の真意に辿り着き、更にその先にまで至った事が分かったんでしょう。ほほう 至るか、みたいな。そうでなくっちゃなぁ、みたいな感じもあるでしょうか。

あるいは、少し思ったんですけどね?

このあかねの高座を聞いて誰かを思い出していたりしないだろうか。例えば志ぐま師匠ですね。先代の方もアリでしょうか。あかねの語り口に誰かを思い浮かべる一生師匠。それでニヤリと笑っている?

まだこんなもんじゃダメなんでしょうが、

あかねの目指す先には「志ぐまの芸」があるんですよね。これに至る為のステップを今回1つクリアしたんだと思うんです。それが一生師匠の笑みにも表れているように思えるんです。

次回── 一生師匠が何か言うと思うんですけどね。

まとめ

次でオチになりそうです。

注目は「無駄に遣うな」ですね。このセリフが鍵になって来ると予想します。泰そんが見た・見せられたものは一体何だったのか?であります。この謎解きが待っていそう。

審査まで行くかなぁ。それはまた次になるかも。

あかねの圧倒的勝利は目前と予想します!

第177席の感想・考察まとめ
  • 「無駄に遣うな」は演目の登場人物だった?
  • あかねの‟消える高座”に戦慄するひかる
  • からしは客席の空気が説明できない
  • 客席は噺に入り込むの更に奥に誘われている
  • 噺への誘いに関しては大看板すら並び得る
  • 一生師匠の不敵な笑み

次回が楽しみですね!!

ありがとうございました!!

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