前回 あかねが阿良川一生師匠の預かりになったところで「前座修行 閉幕」。いきなり3年後に飛んで舞台はフランスのパリ。どんな噺が紡がれるのかとワクワクさせられました。
いよいよ新章開幕です!サブタイトルは「新たな歩み」!
では最新話 第142席の感想と考察です!
3年間の出来事
スタートは月刊落語の記者 樫尾公久(カシオ君)の独白、および執筆しかける記事によって3年間の出来事が明らかにされます。そこは列車の中、彼もまたパリに来ていた。
まず心筋梗塞で倒れた後、ステージ2の喉頭がんである事が判明していた阿良川志ぐま師匠。活動休止を発表していたそうです。声が心配ですよね。
次に「─依然 人気衰えぬ大看板」と変わらぬ顔ぶれが並び、「その大看板に迫らんと台頭する新たな真打」と続きます。まいける兄さんと横に禄郎兄さん(?)が描かれてます。もう一人は魁生… か?
その次は二ツ目。昨年秋に三明亭からしと阿良川ひかるが二ツ目に昇進していました。「勢いは嘗ての阿良川魁生を想起させる」とありますから相当な人気ぶりなのかな。
志ぐまという巨星が退いても尚、隆盛を極めんとする江戸落語界。そう打ち込む樫尾の顔はすぐれない。ここで衝撃的な事実が明かされます。
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
なんと阿良川あかねは「二ツ目披露公演を中止し、その後音沙汰」もなく、「三年前表舞台から姿を消した」というのです。これは流石にポカーンとなりました。
二ツ目披露公演の中止を発表後すぐにフランスに飛んだのかどうかは不明ですけど。おそらくは、すぐ。この3年間ずっとフランスにいた可能性が高いですよね?
何があったのだろう。
パリの高座に上がるあかね
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
元雑誌編集者のアテンドでフランス観光。建物のネオンに誘われた樫尾の目に映ったのは「AKANE ARAKAWA」の文字。そこは「Bruno HALL」という名の… これは劇場でしょうか。
二階席の樫尾の目の先には高座に立つ阿良川あかねの姿がありました。背後のスクリーンにはフランス語の字幕。客席は大入りとは言えませんが、楽しそうにあかねの落語を聞いているフランスの方々が描かれています。
演目は「まんじゅうこわい」ですかね。第2席で志ぐま師匠に稽古をつけてもらい、第3席の初高座で披露した演目です。これをココで持って来るかぁと。
それを見て震える樫尾だった…
と、
まず「字幕を活用して欧州ツアーをまわる落語家は意外といます」って話がありまして。フランスで落語を聞く機会が一切ないって事はない。しかし、その前に「隆盛を極めんとする江戸落語界」とあるんですね。
そりゃ日本の高座に上がる方が大勢のお客さんを前に腕を磨けるような気がします。からしやひかるは沢山のお客さんを集めているっぽい。かたや「Bruno HALL」では、あかねの落語にドッと沸く描写もないんです。少しさびしい。
次回 大喝采かもしれませんけどね。
しかし、どうしてフランスなのか。
阿良川を名乗っているんだから破門にされてはいない様子。あかねからフランスに逃げて来たとも思えないんですね。覚悟は決まってました。
おそらくは 一生師匠が決めたんだと思うんですよ。
それが“あかね潰し”だったのか、ちゃんとした思惑があっての事なのか。どちらなのか難しいところなんです。
まぁでも、あかねの落語が3年前で止まっているって事はなさそう。腕を上げているんだと思うんです。からしやひかるに追い抜かれちゃいないような気がするんですけどね。
「芝浜」との関係
出典:あかね噺|末永祐樹 馬上鷹将|集英社
3年後に飛んで新章がスタートした事に、「芝浜」が関係しているような気がするんです。あかねの父である阿良川志ん太が真打昇進試験で選んだ演目であり、一生師匠に破門にされた演目。それ以外にも重要なポイントを握ってるっぽい。
「芝浜」というのは、3年後に実は… って話が出て来るんですよね。それは勝五郎が拾った財布の件で。これを本編に絡めて来るんじゃないかなぁ?
後から、あかねの知らなかった話が3年前に実は… って形で明らかになるような気がしています。それがフランス行きの真相になっているのではないか。
これは注目しておきたいと思ってます!
まとめ
ちょっとまだ見えて来ませんね。
次回 あかねが樫尾に何を語るのか。ここで1つの方向性が見えて来るのかもしれません。
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