この記事では、週刊少年ジャンプ2025年35号に掲載された「ハルカゼマウンド」の第7話「クラッチヒッター」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
伊吹の作戦は「ゲッツー量産大作戦」で、凪春の投球でゴロを打たせて鉄壁の二遊間で捕るというものだった。ヒナ高は2点差をひっくり返して逆転勝利を掴めるのか。そして若守は伊吹がまだ凪春に‟あの球”を投げさせていない事に気づき──。
Z世代に向けた野球漫画
この第7話までを読んでハッキリしたと感じたのが、「ハルカゼマウンド」というのはZ世代に向けた野球漫画なんだろうなぁというもの。練習試合が始まってからは顕著です。
タイムパフォーマンス(タイパ)ですね。
それは「費やした時間に対する効果や成果を重視する考え方」です。限られた時間をいかに有効に使い、効率的に成果を出すかを重要視します。特にZ世代を中心に好む傾向があると言われています。
例えば動画を倍速で視聴したり、スキップ機能を活用したりだとか。SNSを使ってすぐに情報を収集するなど、効率的に時間を使う事を重視するそうです。
これを「ハルカゼマウンド」は意識してそう。
言ってしまえば、見せられているのはダイジェストなんですよ。野球中継の「では7回までをダイジェストで振り返ります」を僕達は見ている。良いとこ取りした部分だけを見ている。そんな感じ。
要所要所で専門用語に対する伊吹による解説や、「レーダーチャート」を使ったりした情報が差し込まれます。見た目もスッキリしています。
一見 良さそうに思えるのですが…
この弊害が出て来ているような気がします。
過程があっての結果であり、そこに熱いものを感じるんだと思うんです。それがドラマ。例え泥臭くても、どこかで見た展開であっても、やっぱり熱くなるよね… みたいな。
しかし、こういうのは最近は流行らないのかな?
題材とする野球がまず時間短縮化を叫ばれています。無駄に長いと言われているんです。スピーディーに試合を進めたいが、面白さは損なって欲しくない。ここがまた難しいんでしょうが…
ここのジレンマに「ハルカゼマウンド」もハマりそうな…。
出典:ハルカゼマウンド|後藤冬吾 松浦健人|集英社
今回の菊永里美の打席に関しても、ここに至るまでの布石としてちゃんと描いておくべきだったんじゃないか。見逃し三振なんて映えないのは分かっているんだけどね。
どうして打ちに行かないんだ?
なぜ伊吹はコレで5番にした?
イライラし出す若守…
こういう過程があっての今回の種明かしと逆転ホームランだったのなら、もう少し見え方が変わったんじゃないのかなぁ。端折り過ぎてる気がして、内容がパラパラと通り過ぎて行って残らないんですよね。
全て1球1球描いて欲しいなんて言っていなくて。スポーツ漫画にとって試合は見せ場なんだから、もう少しゆっくりと両チームの駆け引きなども楽しませて欲しいなぁと感じました。
しかしそれは僕がZ世代ではないからかもしれない。
僕が最新の野球漫画について行けていないだけであって、Z世代や今の少年にはちょうど良いのかもね。ここは僕も何とも言えないんです。
昨今は「うわぁ 過去編が始まった」「悪役にこんな過去がありましたとか要らん」「このクダリ もう長ェよ」という声が多い・大きいというのは聞いた事があります。本当に冗長なら問題ですが、そうでもない事も少なくないらしいんですよね。
タイパが重要視されている傾向にありそうですよね。
これらもZ世代の声だったりするのかな?
まだ7話ですからね、これからアンケートが反映されて掲載順などが安定して来ればドッシリとした試合展開が描かれるのかもしれない。今はとにかくスピーディーにを心掛けているのかも?なのか。そもそもZ世代にウケているのか。
僕は「ハルカゼマウンド」を応援しています!
それでも今のままだと危険な気がするなぁ。タイパを意識した展開が吉と出るか凶と出るか。それを意識しつつの取捨選択が最も重要なんだろうけど。そこまでの事となると、ただの漫画好きの僕には言えませんので…。
菊永里美は「クラッチヒッター」
7回裏のヒナ高の攻撃の前、若守が菊永を呼び止めます。ここまでの二打席でバットを振っていない菊永。中々いい球が来てくれないと言うが、ど真ん中の甘い球まで見逃しているらしいんです。
若守の考える「いいバッター」とは、厳しい球は捨てて甘い球を仕留めるというもの。しかし菊永が考えるのはそうじゃない。それは「好みの子を決して見逃さないこと」。野球の話なのか何なのか分からない若守はイライラです(笑
1番の若守がヒットで出塁すると、続く2番の漆原は四球を選んでノーアウト一・二塁のチャンス。ここで相手ピッチャーの佐久間康介がギアを上げます。ペース配分を無視した投球に切り替えるんですね。
佐久間の気合の入った投球に3番の柳と4番の伊吹は連続三振。ここで回って来たのが五番の菊永。2球で追い込んだ佐久間が3球目に選んだのが「ストライクからボールに落ちるスプリット」。
出典:ハルカゼマウンド|後藤冬吾 松浦健人|集英社 Screenshot
そのスプリットこそが菊永の待っていた球であり、それを一発で仕留めて逆転のスリーランホームランとなります! (なぜかレフトに引っ張ったボールがライトスタンドに突き刺さります 汗)
ここで菊永の特性が明かされます。
菊永里美 | 予測不能なクラッチヒッター |
クラッチヒッターとは「ランナーを置いた局面でヒットを放つ確率の高いバッター」という意味ですから、別に菊永は‟悪球打ち”というワケではないと思うんです。今回はそういう結果になっていますけどね。
好機に菊永が回って来ているからこそ佐久間はスプリットを決め球に選択したのであって。それと菊永が待っていた球がハマったからこそのホームラン。決してストライクが打てないというワケではなさそうですけどね。
そうでないとクラッチヒッターの意味が… ね。
見せ場(得点のチャンス)での嗅覚は凄まじいものがあるが、そうでない時は全く打ち気が見られないところが「予測不能」になるのかな。それと難しい球を簡単に打っちゃうところもですね。
8回表 凪春vsアタル
伊吹の言った通り7回で点を取って逆転に成功したヒナ高。ただし点差はわずか1点。相手ピッチャーは佐久間からエース早乙女に代わっており追加点を取るのは厳しい状況です。
8回表、先頭打者はアタル!
出典:ハルカゼマウンド|後藤冬吾 松浦健人|集英社
これで四度目の対峙になります。
ホームラン(第5話) |
??? |
シングルヒット(第6話) |
おそらくホームランとヒットの間に1打席あったんだと思うんですけどね。3回に1点追加している時に回って来ていたんじゃないかなと。
ここで伊吹が「ライジングスライダー」を要求するのでしょう! そして見事にアタルを三振に打ち取り、ここから9回まで後の打者も全て仕留めて試合終了。アタルが凪春の投球を認め、それを引き出したのが伊吹と知って「今もすごい」と認めるって展開かな?
まとめ
このまま勝利まで次で行っちゃうのかな?
そうなると普通に入部してくれた植草英治と菜種咲、そして控えの水瀬いろはについては全く描かれずに行っちゃうのかな。試合前は彼らにも注目していたんですけどね。
活躍シーンはなくても、少しでも…
- Z世代に向けた野球漫画なのかどうか
- 菊永里美は「クラッチヒッター」
- 菊永のホームランで逆転に成功
- 凪春とアタルが四度目の対峙
- ライジングスライダー解禁か
ありがとうございました!!
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