この記事では、週刊少年ジャンプ2025年22・23合併号に掲載された「カグラバチ」の第77話「蚊帳の外」の感想と考察を書いて行こうと思います!
前回の振り返りは下の記事になります!
昼彦の「誠心誠意」が妖刀・酌揺の能力をホテル全体に行き渡らせます。幻覚を見せられた座村は致命傷を受けてしまうのですが、妖刀・飛宗の3つ目の能力‟雀(すざく)”がその傷を燃やし復活。ついにチヒロと昼彦の前に座村が現れる!!
さて、その続きではありますが…
まずは巻頭カラーに触れねばなりますまい。漣・六平・座村という3人の親子の構図がドンドンドンと配置されていてカッコいいですよね。それぞれ背負うものがあるんですよね。
いよいよ近づいたコミックスの発売も楽しみ!
「万物への軽視」が引き出した酌揺の本領
前回 ‟雀(すざく)”で復活した座村の目の傷に火が灯り、薄っすら目が開いているかのように見えました。しかしチヒロの「治さないままか」のセリフから‟雀”に目を治す能力はありそうですが、今回はそうしなかった様子ですね。
現れた座村は‟鴉”の能力で羽根を自身の位置を入れ替える形で瞬間移動。つばぜり合いをしているチヒロと昼彦をまとめて斬りにかかります。妖刀を抜いた者は全て敵というのが座村のスタンスですよね。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
これでようやく妖刀三つ巴の戦いが成立。その衝撃はホテルを大きく切り崩す事となります。吹き飛ばされた昼彦の手が痺れており、2人の剣士に遅れを取っている事が示されます。
ここで‟雀”の炎が攻撃用にも機能する事、そして再生は状態異常の緩和にも使えそうな事を認識。これでは‟宴”を使ってもダメだという事で、3つ目の能力を使おうかと逡巡する昼彦。
しかし2人に遅れを取っている分、今は脳ミソ(玄力)の容量を数に使うより質を高める方に使うべきと判断。‟遊”の能力に全振りした次の一手に全てを賭けると判断するんですね。
ただ‟遊”の能力で物体を使いこなす為には「その物体に対する敬意」が重要であり、生命への敬意も皆無の昼彦に物体に対する敬意など望むべくもない。昼彦の「万物への軽視」と‟遊”の能力の相性は最悪なのです。
しかし、この昼彦の「万物への軽視」が酌揺の本領を思わぬ形で引き出す事になるんですね。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
ホテルを崩壊させる方向に操るんです。そうする事でチヒロと座村に死体と瓦礫が押し寄せることになります。これには昼彦も鼻血を出しており、ハクリが妖術を酷使した時と同じ事が起きているんでしょうね。
傷も深い筈なのに、昼彦のどこにこんな活力があるというのか。疑問に思うチヒロですが、全てはチヒロの為なんですね。昼彦にとってチヒロは特別であり、相手の命を取る事に意味を持たせてくれた人。
しかし、ここでもやはり分かり合えていないんですね。昼彦の想いはいつも一方通行なんです。どこまで行ってもチヒロは昼彦の事が分からないのです。
「万物への慈悲」が引き出した飛宗の本領
羽根をまとめて翼を形成し、ホテルの外へと飛び出す座村。逃げたと昼彦は考えますが、座村は死体をひとまとめにして誘導したのです。そして真上から死体を斬り、ホテルを炎で包みながら昼彦に目がけて突っ込みます。
このホテルを包む炎に関して昼彦は勘違いをしており、自分の服を燃やしたように攻撃用に機能させていると考えています。だから「全て燃えて構わないのか…!?」という言葉が出るんだけど。
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
飛宗の三つ目の能力‟雀”というのは自分だけを再生させる不死鳥の力。しかし座村は斉廷戦争でその能力を飛躍させており、引き出した本領により自分自身以外にも再生の恩恵が及ぶようにしていたのです。
斉廷戦争でその光景を目撃し、失った右腕を再生してもらっていた画家の吉田貫龍は言います。「あの炎は万物への慈悲」だと。
「万物への軽視」が引き出した本領で昼彦がホテルを破壊すれば、逆に「万物への慈悲」が引き出した本領で座村がホテルを再生させる。見事なまでの対比ですね!
座村による‟雀”の炎はホテルを再生させ、酌揺がもたらした全ての状態異常を無効化してしまいます。屋上のイヲリ達にかけられた‟宴”の効果も消してしまったのでしょう。
これにより昼彦が全てを賭けた大立ち回りは一瞬にして無に帰してしまいます。涙を流す昼彦の表情、「そ… んなぁ…」の言葉に浮かぶのは正に‟無慈悲”なんですね。ただ一人 昼彦にだけは座村の‟慈悲”の恩恵に預からなかった。
‟雀(すざく)”の能力と‟蠱(こどく)”
吉田貫龍は名前の通り日本人であって、妖術師とも思えませんからね。斉廷戦争で見た光景と言うのは日本本土の話であって。その絵というのも日本本土で見た座村を描いたものと思われます。
座村の‟雀”は自分自身のみならず万物に恩恵をもたらす。昼彦が崩したホテルさえも再生させてみせました。その能力を使ってしても、
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
剣聖が小国で起こした厄災である‟蠱”の被害を再生させる事はできなかった。こういう事になるんでしょうね。第74話で幽が「小国の本土には今なお真打によって咲いた花が残っている」と話しています。
これは‟蠱”に対して‟雀”は全く効果がなかったのか、後述する「何かしらの制限」によって再生させる事ができなかったのか。何か理由がありそうな気がします。
あるいは座村が斉廷戦争の罪を人一倍感じている根底に、この再生させられる能力をもっていながら再生させてあげられなかった… 罪悪感とで言えるようなものがあるんですかね?
昼彦の生死
昼彦は肩から下を落とされ、座村に酌揺を回収されてしまいました。「今度は幻じゃねぇな」と言われています。確実に斬られています。
さすがに致命傷だろうと思うのですが…
即死していない事と、どこかに斗斗さんと久々李が隠れている筈なのが気になるところなんですよね。そして座村はチヒロと斬り合う流れであり、それこそ昼彦はサブタイトルの「蚊帳の外」になると思われるのです。
毘灼としては、昼彦の命さえ守る事ができれば酌揺を誰か(漆羽は生きてる?)に使われる事はないんですね。命滅契約があるからです。サッと昼彦だけを妖術で連れ出す事が可能ならOKなんだけど。
問題は、まだ昼彦にすべき事や役割と言えるものが残っているのかどうかです。もう3回も敗北してますし、最後の負けっぷりはもう彼では妖刀の戦いにはついて来れないのではないかと思わせる程です。
まだ酌揺の3つ目の能力を残していると言えども、それで形勢逆転できるとは思えません。できるとすれば逃げる事のみだと思うんです。酌揺を奪い返して逃げる事ができるか分かりませんけどね。
もしも昼彦がここでは死なず、命からがら逃げるのに成功するのだとすれば、まだ何か重要な設定が伏せられたままだと言えると思います。どうなるのか注目したいですね!
‟雀”にある「何かしらの制限」
まだ推測でしかないのですが、‟雀”の不死身の能力について「何かしらの制限」がある筈だと言っています。おそらく何かあるんだと思うんですね。
ヒントとして2つ出ております。
1つは刳雲の‟鳴”にインターバルがあった事を例に出している事。そして2つ目が物量で攻めて暴いてやるというセリフです。この辺に「制限」の内容が隠れているような気がしますよね?
出典:カグラバチ|外薗 健|集英社
この制限というのが、これから座村と戦うチヒロを助ける事になる可能性があるんですね。とにかく座村が強すぎるんです。圧倒的な強さで昼彦を倒してしまってます。これにチヒロは勝てるの?と。
だからこそ制限というのがクローズアップされそうなのです。あれだけ大規模の再生&状態異常無効化をやってのけた直後です。これが何かを引き起こしそうな。
たとえば再生能力だけに制限があるのではなくて。再生能力(雀)を使いすぎる事によって、他の能力(鴉)にも制限が及んだりするのかなぁ。妖刀としての力が一定時間だけ弱まる。
あるいは使用者(座村)の消耗ですかね。これが最も可能性が高そうですかね。座村のスピードが遅くなったりするのかな。これでチヒロの居合白禊流でも通用してくれるようになったりだとか。もちろん時間が過ぎれば制限はとれたりね。
まとめ
再びチヒロと座村が斬り合う事になります。前回は何もできないまま斬られましたからね。今回は新たな武器として居合白禊流があります。そして六平国重から受け継いだ眼ですか。どうなるんだろう。
- 三つ目の能力を温存した昼彦
- 昼彦の「万物への軽視」が呼び起こした酌揺の本領がホテルを物理的に破壊
- チヒロと昼彦はどこまでも分かり合えない
- 飛宗の三つ目の能力‟雀”は自らを再生する力
- 座村の「万物への慈悲」が引き出した飛宗の本領は万物を再生させる
- 昼彦は生き残るのかどうか
- ‟雀”では真打の‟蠱”を再生できなかった?
- 昼彦の言う「何かしらの制限」とは
続きが気になりますね!!!
ありがとうございました!!
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