この記事では、「ONE PIECE」に登場するエルバフに伝わる“神典(ハーレイ)”に記述される文章について徹底的に考察してみたいと思います!
物語の謎の根幹をなす内容と考えられ非常に重要度が高い!そこに記された文章を読み解くことで様々な謎の答えを導き出せるのかもしれないのです。
一緒に考えていただければと思います。
壁画については、あえて別個で考察しています。そこに描かれている1つ1つが何を示しているのか。独自の視点で解説させてもらってます。上の記事もよろしくです!
“神典”とは
神典とは「神の事跡を記した書物」の事。エルバフには“ハーレイ”と呼ばれる神典が太古より伝わっているんですね。初出は第1136話で、山ひげのヤルルのセリフからです。
- 物語は三章(3つの世界)で構成
- 世界はすでに二度壊れている
- 刻まれる“太陽の神ニカ”の存在
まず、これらを押さえる必要があります!
物語は三章(3つの世界)で構成
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社
“神典”に記される物語には三章あって、3つの世界について記述されています。その3つ目の世界というのが現世の話だと言われています。これから起きることが記される。
その前の二章、2つの世界については過去になります。
↑ ここは要注意ですよ!
つまり“神典”というのは、過去に何があったのかを今に伝え、さらに未来を予言する書物である。こう考える事ができるんですね。
世界はすでに二度壊れている
“神典”に記される三章、3つの世界の物語を区切るもの。それがヨルルの言う「世界はすでに二度壊れている」という言葉になるんですね。
1つ目の世界
↓(壊れる)
2つ目の世界
↓(壊れる)
3つ目の世界
こうやって二度の破壊を経て今の世界があるんですね。
刻まれる“太陽の神ニカ”の存在
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社
“太陽の神ニカ”の存在はこれまで二度、世界が壊れる度に“神典”に出てくるのだそう。世界の破壊と共にその存在が刻まれているのです。
しかし“神典”は解釈が多岐に渡る「古き言葉」で記されている為、誰にも翻訳できないまま今に伝えられてきてしまっているのです。
わかっているのは世界が壊れる度に“太陽の神ニカ”が登場することだけ。それが疑問を呼ぶのです。
- 世界が壊れぬよう現れた英雄?
- 全てを壊した破壊者?
どのスタンスが正しいのかわからない。これが様々な解釈の余地を生んでしまっているのです。“太陽の神ニカ”の性格について、エルバフの戦士達はバラバラの意見をブツけ合います。
支配者 |
解放の神 |
破壊の神 |
笑いの神 |
皆それぞれです。
ただ、ヨルルが言うには「ニカはこの世界が大きく形を変える時に現れる」ということなんです。世界は過去に二度壊れ、大きく形を変えているのだそう。
そこに“太陽の神ニカ”がどう関わっているのか!
“神典(ハーレイ)”を翻訳してみよう
フクロウの図書館には“神典(ハーレイ)”が収蔵。そこに記される原文を我らが天才考古学者ニコ・ロビンが読んで聞かせてくれます。ただし注意が必要。
エルバフの戦士達も“神典”を読めてはいるんですね。
ただ解釈が多岐に渡る「古き言葉」が正しく翻訳できずにいる。それが文章の曖昧さに出ているなら、やはりロビンも読めているだけ。記している内容がよくわからず読んでいるだけかもね。
正しく翻訳するには、実際に起きたことを知る必要があるのかも。
では “神典”の文章を考察してみます!!
「第一世界」の解釈
「第一世界」─
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社
地に炎あり
人は欲望に負け
禁断の太陽に触れた
隷人は願い
“太陽の神”は現れた
地の神は怒り
業炎の蛇と共に
世界を死と闇で包んだ
彼らはもう会えないのだ
地に炎あり
これは「マグマ溜まり」だと解釈します。
巨大なマグマ溜まりか… あるいは「マントル」を指しているんだと考えています。それが後の記述に大きく関わることになっているのではないだろうか。
人は欲望に負け 禁断の太陽に触れた
これは「永遠のエネルギー」と呼ばれた“マザーフレイム”の開発に成功したことを記しているのだと思うんです。「太陽に触れた」とは、その手に太陽を作り出すことに成功したと解釈。
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社Dr.ベガパンクは“マザーフレイム”の開発について「太陽に近づきすぎてしまった」と表現
Dr.ベガパンクが生まれるよりも遥か太古の昔、何者かが“マザーフレイム”を完成させていた(Dr.ベガパンクの“マザーフレイム”は未完成)。
それを可能にできる者達がいるとすれば、高度な文明を持っていたという「ある巨大な王国」しか考えられません!
隷人は願い “太陽の神”は現れた
ここで言われる「隷人」とは奴隷達の事でしょうからね。
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社「太陽の神ニカ」とは
太古の昔に奴隷達がいつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士
こうフーズ・フーが話していました。
この時に、奴隷達が“太陽の神ニカ”という伝説の戦士を生み出したと考えます。それは想像の産物。妄想です!
この時点ではまだ実在していないと考えます。
では、なぜ“太陽の神”の存在が生まれるのか。
太陽である“マザーフレイム”なるエネルギーが人類を助けるものと思われたから。そう考えて開発された。この話が、太陽というのは奴隷である我々も救ってくれるかな?という妄想につながる。
こう僕は解釈します!
地の神は怒り 業炎の蛇と共に 世界を死と闇で包んだ
おそらく“マザーフレイム”の悪用、あるいは暴発によって世界が壊れたことを伝えているのだと解釈します(おそらくは暴発)。それにより世界は大きく形を変えた!
ここに先の「地に炎あり」が関連するのであり、“マグマ溜まり” or “地中のマントル”を刺激してしまって天変地異が巻き起こった!これが「地の神は怒り」であります。
世界中で大規模な噴火活動が頻発して、その噴煙・粉塵によって世界は闇に包まれた。そして噴火活動は恐ろしい程の大陸の隆起を呼んだ!
“赤い土の大陸(レッドライン)”の形成ですね!
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社我らに突き通せぬものは“血に染まるヘビ”のみよ
「業炎の蛇」というのは、エルバフに伝わる「血に染まるヘビ」と同一だと考えます。それは突き通せない物であって、赤い土で蛇のように星を一周する大陸であるレッドラインを指すのだと思うのです。
大規模な大陸の隆起によって世界は壊れた!
彼らはもう会えないのだ
レッドラインの形成によって会えなくなったものと言えば、アイランドクジラなんですよね。現に今、レッドラインが邪魔してラブーンとその家族が会えなくなっています。
魚人島を出航して新世界に向かう途中で“麦わらの一味”がアイランドクジラの群れに遭遇します。その第654話のサブタイトルは“GAM(小群)”です。
これから“大群(FLOCK?)”のサブタイトルがつく回があると思うんです。これと絡んでくる話になるのではないかな?
「第一世界」を壊したのは誰?
では「第一世界」を壊したのは何者なのか?
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社
“マザーフレイム”を開発した者達である「ある巨大な王国」の人々が世界を壊し、大きく形を変えてしまったのだと考えています!ジョイボーイの先祖です。
おそらくは制御できなかった。
この失敗が次の「第二世界」の争いへとつながるのだと考えています。「ある巨大な王国」はこの世界を元に戻そう… 罪滅ぼしをしようとした。しかし、その強大な力を狙う者達が現れて、みたいな?
「第一世界」の解釈まとめ
太古の昔、地中に巨大な“マグマ溜まり”があり、それを開発した“マザーフレイム”が刺激、大陸の隆起を呼び、大規模な天変地異によって世界が死と闇に包まれた。
レッドラインの形成によりクジラの群れは分断。
「第二世界」の解釈
「第二世界」─
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社
虚無に息吹あり
森の神は魔を遣わせた
太陽は戦火を
広げるばかりだ
半月の人は夢を見た
月の人は夢を見た
人は太陽を殺し神となり
海の神は荒ぶった
彼らはもう会えないのだ
虚無に息吹あり
もう世界は終わってしまったと思われたが、生き物は滅んでいなかった。
森の神は魔を遣わせた
ここで悪魔の実が出現するのだと解釈します。悪魔の実の歴史の始まり。「ああなれたらいいな…!! こうなれたらいいな…!!」という人の願いが悪魔の実として具現化する。
そして「第一世界」で“隷人”が願った“太陽の神”になれる悪魔の実が生まれる。“ヒトヒトの実”幻獣種モデル「ニカ」ですね。そして、それをジョイボーイが食べて能力を覚醒。この世に初めて“太陽の神ニカ”が現れる!
こう解釈します!
太陽は戦火を 広げるばかりだ
ここは“マザーフレイム”の奪い合いを語るものだと解釈します。世界は“マザーフレイム”の強大な力を目の当たりにし、兵器として利用できると欲した。
その奪い合いが戦火を広げたのであり、後の展開につながると考えます。なぜなら、実際に奪っていると思われるからです。
半月の人は夢を見た 月の人は夢を見た
ここで言及される「月の人」とは、「この星(青色の星)の人ではない」という意味だと解釈すべきだと考えます。こう解釈すればこそ「半月の人」が何を指すのかわかる!
「半月の人」とは、「この星にいながら、この星の人ではない」という意味であって。半分「月の人」みたいな人達と解釈します。つまりは人間達から仲間外れにされていた人達。
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社魚人族と人魚族は“魚類”と分類されて世界中の人間達から迫害を受けていた
魚人族と人魚族が「半月の人」と解釈します!
これなら「夢を見た」もわかりますよね?
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社我々の遠い先祖達が試みて… 無念のまま潰えた夢そのものなのじゃもん…!!
ジョイボーイ(月の人)と当時の人魚姫(半月の人)は互いに夢を見ていた。「この星の人」と仲良く暮らせる世界になったらいいなぁと。これに賛同して、様々な種族が立ち上がることになるんじゃないかな?
人は太陽を殺し神となり
ここで言われる「太陽」とは、“太陽の神”となったジョイボーイだと解釈します。ここは異論が出にくい部分かと思われます。
ジョイボーイを殺したのはイム達であって、“20人の王達”なのでしょう。そして移住を拒否したアラバスタ王国のネフェルタリ家を除く19の家系が“神”となる。創造主と呼ばれる者達ですよね!
海の神は荒ぶった
ここについては“マザーフレイム”の使用による海面上昇ですよね。ここも解釈が分かれることはなさそうな気がします。ルルシア王国にした所業を過去にもしていた。
イム達が、どういう訳か「ある巨大な王国」が持っていた“マザーフレイム”を奪ったのか何なのか… 使用してそうです。それによりエニエス・ロビーの滝が形成されているんだと思うんです。
彼らはもう会えないのだ
ここで言及される「彼ら」というのは“2人の王”でしょうか。
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社2人の王がまた出会う日を
クジラ達も喜んでいる
つまりはジョイボーイと人魚姫が会えなくなった。
ジョイボーイの死によってです。
「第二世界」を壊したのは誰?
イム達です!!!!
「第二世界」の解釈まとめ
この世界は滅びたかのように見えたが、そうはならなかった。そして世界に悪魔の実が出現し、奴隷達が思い描いた神が現実のものなる下地が整った。
ジョイボーイや人魚姫は“青色の星”の人間達と差別されることなく暮らせる時がくるのを夢見ていた。しかし悪魔の実を食べて“太陽の神”となったジョイボーイは殺されてしまう。
“マザーフレイム”の奪い合いは苛烈を極め、最終的にイム達が海面上昇を引き起こし海を荒げさせた。そして聖地マリージョアに移住して神となった。
「第三世界」の解釈
「第三世界」─
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社
混沌に空白あり
不都合な残影は
約束の日を思い出し
片割れ月の声を聞く
“太陽の神”は踊り、笑い
世界を終末へと導く
太陽は回帰し
新しい朝が来る
彼らはきっと会えるだろう
混沌に空白あり
空白の100年のことでしょう。
ここから「第三世界」が始まっていますので、現世とはいえ900年前~800年前からの話になるんです。よってサウロの「これから起きる事」ばかりでもないハズなんですね。
しかし、これ以降の記述については全て未来に起きうる事象だと考えられます。まだ作中では起きていない事です。
不都合な残影は 約束の日を思い出し 片割れ月の声を聞く
「不都合な残影」とは“解放のリズム”だと解釈できます。
出典:ONE PIECE|尾田栄一郎|集英社懐かしいな…
この鼓動(リズム)…
ジョイボーイ
ズニーシャにしても、エメトにしても「ドンドットット♪」のリズムでジョイボーイの残影(おもかげ)を思い出しているんですね。
これをしらほし姫は聞いた事がありません。
しらほし姫(ポセイドン)が解放のドラムを聞いた時、かつての人魚姫(ポセイドン)の記憶が覚醒するんじゃないかな?
そして約束の日を思い出す!
「片割れ月」とは、離別した月の人ジョイボーイ。かつての人魚姫が聞いたジョイボーイの声(約束)が、しらほし姫の耳に聞こえる。
こう解釈します!
“太陽の神”は踊り、笑い 世界を終末へと導く
ここで言及される「“太陽の神”」とはルフィであって。その能力を覚醒させて“太陽の神ニカ”となり、踊り笑い、偏見と差別に満ちたこの世界を終わらせる!
太陽は回帰し 新しい朝が来る
そもそも「第一世界」の始まりに“マザーフレイム”は何を目的として作り出されていたのか。ここに戻るんだと思うんです。いわゆる“回帰”です。原点に立ち返る。
それをルフィが成し遂げるんだと解釈します。
まだ“マザーフレイム”は本来の目的で使用されたことがないと考えます。それがジョイボーイと人魚姫との約束とも関係してくると読んでます。
それにより世界に夜明けが訪れるのかも!
彼らはきっと会えるだろう
海王類の言葉から考えて、ルフィとしらほし姫の出会いを示唆しているんだと思うんです。ただし、もう2人は出会ってますから、“太陽の神”(=ジョイボーイ)としてのルフィとしらほし姫ですね!
「第三世界」の解釈まとめ
「第三世界」の章の前半がしらほし姫で、後半にルフィについて予言していると解釈してます。よって不都合な残影で思い出したりするのはしらほし姫かな?と。
そして、これからルフィ達が成し遂げることというのは原点への回帰なんだと解釈できます。太古に戻る。そもそもの発端となっている何かをルフィは受け継ぐことになりそう。ジョイボーイよりもっと前です!
おそらくは… この世界の形を元に戻すのかな?
ともかく自由な世界が訪れそうですよね!
まとめ
“神典(ハーレイ)”とは、“マザーフレイム”と“太陽の神”にまつわる物語だと解釈できると思うんです。“マザーフレイム”が“太陽の神”を出現のキッカケとなっていて、“太陽の神”が“マザーフレイム”で世界を変える。最終的に元に戻すのかな?
- 第一世界を壊したのは“マザーフレイム”
- 第二世界を壊したのも“マザーフレイム”
- 第三世界も“マザーフレイム”が壊す
ただし最終的に壊すのは、旧態依然の偏見に満ちた世界であって。新たに自由な世界が創造されると考えます!
さて、
皆さんはどう解釈されました?
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